グリーン周りに配される障害物のひとつである、グラスバンカー。窪地の中が長く伸びた芝で覆われた、文字通り砂の代わりにラフが敷かれたバンカーといったところだ。
グラスバンカーからのショットの際は、深さにもよるが「基本的にはバンカーショットと同様に脱出を最優先で考えましょう」と兼濱は言う。
「芝の深さなど状況にもよりますが、写真Aくらいの伸び具合であれば、打ち方は基本的にバンカーショットと変わらないですね。まずは脱出することが最優先事項ですから、グリーンに乗ってくれれば多少ピンを外してもオッケーという心持ちで打ちましょう」(兼濱、以下同)
スウィングの際に気を付けるべきポイントもバンカーショットと同様「スウィングがゆるまないようにすること」。グリーン周りだとピンとの距離が近く、飛ばし過ぎないようにしようとしてついついスウィングがゆるんでしまいがちだが、やはり優先すべきは脱出。「確実に脱出するために、小さい振り幅でもゆるまずヘッドをしっかり加速させて振ることが大切です」という。
通常のバンカーと同様に厄介な障害物であるグラスバンカーだが、大きく違う点は「ソールができること」だと兼濱。
「なぜならグラスバンカーはルール上ハザード扱いではないからです。通常のバンカーと違い地面にソールして素振りを行うことができると、素振りによって芝の抵抗を感じ取り、それをもとに振り感を調節できます。もちろん状況にもよりますが、素振りできるぶんだけ、外すならグラスバンカーのほうがマシと言えます」
どちらもリスクがあるためできれば避けたいところだが、通常のバンカーとグラスバンカーの両方が配置されたホールでは、狙いどころを決めるための判断材料の一つにはなりそうだ。
協力/太平洋クラブ八千代コース