現在ロレックスランキング(女子世界ランク)ナンバー1をご存知だろか? ネリー・コルダ? コ・ジンヨン? いえいえ、答えはリリア・ブ。カリフォルニア出身の26歳は23年シーズン4勝を挙げ世界ランク1位とLPGAプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いた4人目のアメリカ人となった。彼女のモチベーションの源とは?

じつはブが初優勝を飾ったのは今年に入ってから。序盤のアジアシリーズ、ホンダLPGAタイランドで初勝利を手にすると4月舞台をテキサスに移したメジャー初戦シェブロン選手権で2勝目。4カ月後にはAIG女子オープン(全英女子オープン)で早くもメジャー2つ目の戴冠を果たす。

シーズン終盤の4試合ではアニカ・ソレンスタムの冠トーナメントでの優勝を含めすべての試合でトップ5入り。プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを争ったライバル、セリーヌ・ブティエ(フランス)を抜き去り映えある受賞と相成った。

画像: 現在女子世界ランク1位のリリア・ブ(写真/Getty Images)

現在女子世界ランク1位のリリア・ブ(写真/Getty Images)

ルーキーだった4年前は9試合に出場し予選を通ったのは1試合だけ。ツアーカードを失い法科大学院に進学するためゴルフから離れることも考えたという。そんな彼女が一念発起したのは父方の祖父の存在。

1982年、戦争で荒廃したベトナムで祖父のディン・ドゥは数カ月かけて船を作り家族や他の人々を国外に送り出した。そしてアメリカにたどり着きブは97年カリフォルニアで誕生することになる。

祖父は3年前に他界したが、彼の勇壮かつ感動の物語はいまでもブのモチベーションを高め続けている。「落ち込んだときでも、たった1発のミスで動揺するような人間のために祖父は生き抜いたわけじゃない」と自らに言い聞かせる。

未勝利だった昨年は「いつも心配しながらゴルフをしていました」と本人。「予選を通るか通れないかばかり考えていると、結局予選をクリアできないんです。でもトーナメントで勝とうと思えば大丈夫。予選落ちをすることはありません」。

予選突破と優勝争い。それは考え方次第で紙一重だということか。逞しく育った孫娘を天国の祖父は笑顔で見守っているに違いない。

This article is a sponsored article by
''.