憧れのプロにジュニアも保護者も興奮気味
このチャリティイベントは越谷ゴルフリンクス練習場のオーナー中村真氏が「海外ではツアープロが地域のコースや練習場に自身の経験などを還元していることが多い。日本でもそういうのがあってもいいはずなのに、ほとんど聞いたことがない。それなら、ここでやってみようと思った」ことがきっかけ。約1カ月前に、同練習場を拠点にしている斎藤大介トレーナーや橋本真和コーチ、神谷幸宏コーチに心のうちを話したところ、各々が指導しているツアープロに話を持ち掛けて実現したという。
稲見たちが担当したのは9~16歳までのジュニアへのレッスン。まずは斉藤トレーナーが登場し、「れいちぇる(臼井の愛称)に少しメイクしてもらいました(笑)」と集まったジュニアを和ますと、「昨日に比べたら寒いので、ボールを打つ前に体を動かそうか」の一声で軽いストレッチを行った。心も体もほぐれたところで、参加者を3グループに分けて、各プロがジュニア5~6人を担当する個人レッスンがスタート。レッスンを受けた佐藤小洛(サラ)さん(16歳)は「担当は稲見萌寧プロでした。普段、稲見プロがどういう練習をしているのか、また試合中のマネジメントはどうしているのかを聞きました。ボールを飛球線上に縦一列に3球並べて、真ん中のボールを打つドリルを教えてもらい、それを試したあとのショットは安定感が増したように思います。マネジメントについては、『できるだけリスクのない場所に落とすことを心がけて』と言われました。悩みの解決に繋がる気づきがありましたし、ドリルを取り入れてプロを目指して頑張りたいです」と話した。
レッスンを終えた稲見は「はじめてのジュニアレッスンだったので緊張しました。この中からプロになる子もいるはずなので、みんなの目標になれるように、これからも頑張ります」、臼井は「楽しいイベントでした。来シーズンはシードを取れるように頑張るので、ジュニアのみなさんもゴルフを楽しみながら、一緒に頑張りましょう!」、吉澤は「私もはじめてのジュニアレッスンだったので、『しっかり教えられてるのかな? 大丈夫かな』と思いながらやりました。でも楽しくできてよかったです。来年は前半戦に出れるのでシード目指して頑張ります」と語った。
チャリティイベントは稲見たちが実施したジュニアレッスンのほか、小暮千広と藤井美羽の両プロが来場者とニアピンを競う、ワンオンチャレンジも。「いちばんピンに近かったのは9歳の子で、ジュニアの子たちは本当にうまかったです」(小暮)とのこと。また、今年のプロテストで合格した神谷和奏のトークショーも実施した。
中村オーナーの思いが、多くのプロの協力により、形になった一日イベントは大いに盛り上がった。
なお、集まった募金先は独立行政法人日本スポーツ振興センターに寄付するという。