日本ゴルフコース設計者協会が発足し、30周年を迎えた記念として、『日本ゴルフコース設計者殿堂』が設立された。気になるその顔ぶれとは?
画像: 左上から時計回りに、赤星四郎、赤星六郎、井上誠一、上田治

左上から時計回りに、赤星四郎、赤星六郎、井上誠一、上田治

先駆者の“作品”を検証することも目的のひとつ

同協会は、当時のJGAゴルフミュージアムの藤岡三樹臣氏らの発案によって1993年に設立された。その趣旨は「コース設計に携わる者が切磋琢磨し、設計技術の向上を図ること」。初代理事長である加藤俊輔氏から現在の川田太三氏まで6代を数える。

現在、正会員が21名、賛助会員・団体企業は50社、ゴルフ場20コース。名誉理事・会友・物故会員など220名の所帯を構える。ただ、バブル期に激増した新設ゴルフ場は姿を消し、現在は「コース設計家にとって暗黒の25年」(川田氏)だという。いまやコース設計家の仕事は改造・改修が主たるものとなっているが、改造や改修は以前とは比較できないほど大きな要素を含んでいる。目的は多様だが、用品や用具の進化により短くなったコースを競技に適した舞台に延伸・造形することや、経年変化による景観の復元など、設計家の手腕が問われる時代になってきているのだ。

そこには先駆者たちの“作品”を検証することも必要になってくる。今回の殿堂設立はその点からも意味があろう。

その顔ぶれを列記する。米国留学から帰国し、ゴルフ黎明期をリードした赤星四郎(霞ヶ関CC東C、箱根CC)、弟の六郎(我孫子GC、相模CC)。日本コース設計の祖というべきC・H・アリソン(東京GC朝霞C、廣野GC)。千葉大で造園学を学んだ和泉一介(袖ヶ浦CC)。アリソンから学び一世を風靡(ふうび)した井上誠一(日光CC、茨木CC西C)。京都大で林学・造園を学んだ上田治(大阪GC淡輪C、古賀GC)。JGA設立に尽力した大谷光明(東京GC、名古屋GC和合C)。日本ゴルフ界空前の造成ラッシュに沸いた時代の加藤俊輔(太平洋C御殿場C、JFE瀬戸内海GC)。貿易商の父とともに神戸に移住したクレーン兄弟のハリー・C・クレーン(鳴尾GC)、末弟ジョー・E・クレーン(三好CC)。慶應義塾大からプリンストン大に留学した小寺酉二(軽井沢GC)。水の魔術師、小林光昭(米原GC)。東京帝大農学部出身の佐藤昌(宮の森CC)。日本アマを4回制した佐藤儀一(片山津GC)。グリーンキーパー出身の富澤誠造(千葉CC川間C)。米国留学し帰国後、霞ヶ関CCの創設に尽力した藤田欽哉(霞ヶ関CC東・共同設計)。東京帝大で建築学を修めた間野貞吉(戸塚CC東C)。東京帝大農学部卒、蝶の権威だった丸毛信勝(広島CC西条C)日本アマ3連覇の三好徳行(富士桜CC)。高層建築工法を学んだ保田与天(福岡CC和白C)の20名。

来年から随時、若干名を追加していく予定という。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月2日号「バック9」より

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