パー4以上のホールでは、グリーンまで一直線ではなく曲がっていることが多い。とくにフェアウェイの途中で左右いずれかに曲がるレイアウトは、犬の後ろ足のように「くの字」に曲がっていることから「ドッグレッグ」と呼ばれている。
ドッグレッグの曲がる角度は各コース・ホールによって様々だが、なかには直角に近い曲がり方をするケースもある。そんなホールに遭遇した場合、マネジメント面で真っ先に考えたいのが「突き抜けを避けること」だと兼濱は言う。千葉県・太平洋クラブ八千代コース17番ホール・パー4(Bグリーンの場合、Mティーから291ヤード)を例に、詳しく教えてもらおう。
「この17番ホールは急角度で曲がる左ドッグレッグですが、大きい番手で左の林を超えるように飛ばそうとしたけれど、打ち出す方向を間違えたり、真っすぐ飛び過ぎる、あるいは大きく曲がったりするなどして、OBへ突き抜けてしまう……という事態を避けることをまず第一に考えましょう」(兼濱、以下同)
とくに急激に曲がるドッグレッグの場合、ティーイングエリアの正面がOBになっているケースが多い。ならばそもそも一直線に飛んでしまったとしても正面側のOBまで届かない番手を選んでおくことが大切というわけだ。
「少しでもOBのリスクがあるくらいだったら、ショートしたほうが全然良いです。太平洋八千代の17番ホールは曲がり始めるのが大体220ヤード付近なので、フォローの風が吹いていたこともあって僕なら4番アイアンで打ちますね」
加えて大切なのがティーアップの位置だという。
「基本的には左ドッグレッグならティーイングエリアの右端、右ドッグレッグなら左端にティーアップするのが安全ですね。そのうえで各々の持ち球と、ミスショットしたときの曲がり幅に応じて狙いどころを変えましょう」
太平洋八千代の17番ホールのような左ドッグレッグなら、フック系の球筋のゴルファーであれば、引っかけてもOBにならないように、正面に見えるフェアウェイバンカーの左端を狙い、逆にスライス系の球筋なら、大きく右に曲がっても大丈夫なように、左の林の右端を狙って打っていくのがいいとのことだ。
協力/太平洋クラブ八千代コース