2023年、合格率が3%余りという超難関の女子プロテストをくぐり抜けた神谷和奏(22歳)。最終プロテストの会場である岡山県のJFE瀬戸内海GCには夫の幸宏さん(36歳)と、娘の咲凛(えみり)ちゃん(2歳)の姿が。4回目の受験で合格を手にした22歳は、妻であり一児の母。「週刊ゴルフダイジェスト」1月9・16日合併号で紹介した、一児の母・神谷和奏プロ、幸宏さん夫妻のストーリー。掲載しきれなかった分を「みんゴル」でお届け!
画像: 幸宏さんの拠点で和奏も練習する越谷ゴルフリンクスのエントランス前での3ショット(photo/Akira Kato)

幸宏さんの拠点で和奏も練習する越谷ゴルフリンクスのエントランス前での3ショット(photo/Akira Kato)

妊婦で日本女子アマに出ていた!?

他人同士が結婚して一つ屋根の下。けんかはありますか? 「あんまり」という幸宏さんに「ほら、靴下」と和奏プロ。「彼は、干すときに足首の部分をピッチに挟むんですよ。でもそれだと跡がついちゃって、履くときに気になるじゃないですか。あと、しまい方。彼は重ねて足首のゴムのところをぐるっと折っちゃうんです。あー、ゴムが伸びるって(笑)」。幸宏さんは指摘されて「ああ、そうかと。以降、片方の靴下の中にもう片方を入れるスタイルに変更しました」。

でも「けんかとは違うけど、あれ。2022年の全米女子オープン予選のとき」と和奏プロ。2021年9月に出産して、半年余りで出場した大会で幸宏さんがキャディを務めていた。予選通過の当落線上にいたが「最終ホール、グリーンを狙うショットがピンにスジッて。1パットで入れば予選通過確定だったので、『うわあ、予選通ったー』って、僕の思いが先走って、なんと泣き出してしまったんです。これまでのことがいろいろよみがえってきちゃって」。号泣するキャディ(幸宏さん)とともに、グリーンに行くと「3メートルも残っているんですよ。それで、私、そこで3パットしちゃって。2打足りず予選落ちです」と和奏プロ。そのときに「キャディは泣かないで! と思いました」。苦笑いしながら幸宏さんは「反省してます」。しかし、以来、「ゴルフは目の前の一打」と、二人の頭にしっかり刻み込まれた“一事件”に。

画像: 幸宏さんが「妊娠中のゴルフでフラットになった」という神谷和奏のスウィング(photo/Shinji Osawa)

幸宏さんが「妊娠中のゴルフでフラットになった」という神谷和奏のスウィング(photo/Shinji Osawa)

妊娠中に出場した関東女子アマの話も外せない。「シードがあり、予選がいらなかったんです。突破すれば日本女子アマに出られる。その頃、確か妊娠6カ月ぐらいだったんですが、安定期に入っていたし、体調も良かったので出場したんです。そのときは、キャディさんにだけ『私、妊娠しているんです』と、打ち明けました。ほかの人に言わなかったのは、やっぱり気を使わせてしまうし、妊娠って、みんながみんな無事に出産できるとも限らない。生まれるまで何があるかわからないので。キャディさんは何も言わず、最大限の配慮をしてくれて。ありがたかったです。そしたらなんと日本女子アマの出場権を得ちゃって(笑)。その一月後に大会に臨みました。さすがに練習ラウンドはなしのぶっつけ本番。それが、たまたまトップスタートだったので、スウィング動画がJGAのYouTubeに出ているんです。すごい記念になっちゃいました」。

タフな和奏プロ、包容力抜群の幸宏さん。今後の活躍をお楽しみに。

「週刊ゴルフダイジェスト」2024年1月9・16日合併号、および「MYゴルフダイジェスト」に「奏でる二人 一児の母がプロテストに合格するまで」を掲載中。

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