2024年が幕を開けた。今年のプロゴルフ界ではどんなドラマが生まれるのか? 2024年の国内男子ツアーの展望を、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修に語ってもらった。

久常をモデルケースに。中島、蟬川、金谷の3名が新たに欧州へ挑戦

まず国内男子からは昨年の賞金王・中島啓太、そして蟬川泰果、金谷拓実の3名が、DPワールドツアー(欧州男子ツアー)の出場権を獲得しています。

昨年は同資格で比嘉一貴、星野陸也、岩﨑亜久竜がDPワールドツアーに挑みましたが、比嘉選手、岩﨑選手は残念ながらシード獲得とはならず。星野選手はシードを獲得し、今年も参戦予定です。

画像: DPワールドツアー出場権を獲得した中島啓太(左)、金谷拓実(中)、蟬川泰果(右)

DPワールドツアー出場権を獲得した中島啓太(左)、金谷拓実(中)、蟬川泰果(右)

そして忘れてはいけないのが久常涼です。昨年からDPワールドツアーを主戦場にし、カズーフランスオープンで初優勝しました。欧州ツアーでの優勝は日本人選手通算3人目の快挙でしたね。そしてそのままシーズンを走り抜け、年間ポイントランキング(レース・トゥ・ドバイ)で17位(有資格者を除けば上位10人)となったことで、PGAツアーへの出場権を確保したのです。

画像: DPワールドツアーで結果を出し、PGAツアー出場権を獲得した久常涼。彼の歩んだPGAツアーへの道は他の日本人選手にとっても指標となりそうだ(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

DPワールドツアーで結果を出し、PGAツアー出場権を獲得した久常涼。彼の歩んだPGAツアーへの道は他の日本人選手にとっても指標となりそうだ(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

この久常選手がたどったPGAツアーへの道のりは、他の選手にとってのモデルケースでもあります。中島、蟬川、金谷、星野の4選手も、欧州で優勝しPGAツアーへの昇格を目指すことになるのだろうと思います。今後も、まずは国内で結果を出し賞金ランク3位以内に入って欧州への挑戦権を獲得し、ゆくゆくはPGAツアーへ……というルートを目指す日本人選手は出てくるでしょう。

もちろんスケジュールを見つつ、日本のツアーにも参戦するかと思います。いずれにせよ、海外でも活躍できる選手が少しずつ増えてきていることは喜ばしい限りですね。まずは欧州に挑戦する4選手が世界の舞台で暴れることに期待しています。

国内ツアーは岩﨑亜久竜ら若手の活躍に期待

中島、蟬川、金谷が主戦場を欧州に移したことで、今年の国内ツアーでは誰が台頭してくるのかも注目ポイント。個人的な期待を込めて、ここでは岩﨑亜久竜を挙げたいと思います。

画像: 中村が注目選手に挙げたのは岩﨑亜久竜(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

中村が注目選手に挙げたのは岩﨑亜久竜(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

前述したように岩﨑選手も2022年シーズンの賞金ランク3位で権利を得て欧州に挑戦していましたが、世界の舞台では苦しい戦いが続きました。そんななかでも国内男子ツアーに平行して出場し、日本オープンでツアー初勝利を挙げました。

上手く実力が発揮でき、また国内ツアーの賞金ランク3位以内となれば、再びDPワールドツアーへの挑戦が叶います。

26歳の岩崎選手のほかにも、吉田泰基(25)、杉原大河(24)、河本力(23)、平田憲聖(23)を筆頭に、若手選手たちには注目しています。国内女子の黄金世代であったり、松山選手にとって中学高校と石川遼の存在が非常に大きかったというように、若いうちから同世代で競い合える相手がいるというのは非常に大事だと思いますから。

欧州男子ツアーへ新たに参戦する3人に続いて、日本ツアーを引っ張っていくような存在になってほしいですね。

ナショナルチームの岡田晃平と大嶋港もツアー入り

そして若手と言えば、ナショナルチーム出身選手にも注目です。思えば昨年賞金ランクトップ3の中島、蟬川、金谷はいずれも過去にナショナルチームメンバーでした。昨年の「ダンロップフェニックス」でアマ優勝を成し遂げた杉浦悠太、古くは松山選手もそうでした。現在ツアーのトップ選手たちがそうであるように、またナショナルチームから有望な選手が出てくるのでは、という期待はありますよね。

来季はナショナルチーム出身の岡田晃平と大嶋港の2名が、ファイナルQTを通過し前半戦の出場権を得ています。とくに大嶋選手は、地元・岡山で名をはせる“大嶋4兄弟”の末っ子。長男の炎と三男の宝も同じくプロです。

岡田、大嶋のようにQTを突破した若手たちが、来季は他にも出てくるでしょう。QT上がりの選手たちの活躍にも注目です。

もちろん若手の前には、ベテラン勢が培った経験とともに壁として立ち塞がってくるでしょう。その筆頭となるのが石川遼ですね。石川選手に対しては、40歳を過ぎてからも63勝を挙げたジャンボ尾崎のような復活劇をみなさん望んでいるかと思います。石川選手も32歳、若手を前にどれだけの強さを見せてくれるのかも引き続き注目していきたいですね。

画像: 石川遼がベテラン勢の筆頭として、若手たちの大きな壁に(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/中村修)

石川遼がベテラン勢の筆頭として、若手たちの大きな壁に(写真/2023年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/中村修)

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