タイミングの取りやすいシャフトはスウィングの再現性を生む
クラブフィッター小倉です。今回は、お客様から「ヘッドとシャフト、どちらを優先すべきか!?」というご質問を頂きましたので、それを題材にしたいと思います。ゴルフクラブは、ヘッド、シャフト、グリップの3つのパーツで構成されており、どれも重要なパーツです。体格やヘッドスピード、スウィングスキルや求める理想の結果等に応じて、モデルやスペックを選ぶ必要があります。
パーツの役割は、それぞれ違います。ヘッドは、スピン量、ボール初速、打ち出し角といった弾道の質に加え、オフセンターヒット時の曲がり幅、ボールの上がりやすさ、初速のロス率といったミスへの寛容性に影響します。
シャフトは、ヘッドほどではありませんが、弾道への影響に加え、切り返し時のしなるポイントやしなり量の違いによるタイミングの取りやすさに影響します。グリップは、フィット感による違いで力み具合や、手の操作しやすさなどに影響します。
ヘッドとシャフトは、どちらも弾道に影響するパーツだけあり、どちらを優先すべきかというのは、様々な意見があります。クラブフィッターの中でも意見が分かれるところです。アマチュアゴルファーは、ヘッドを優先する意見の方が多いでしょう。弾道に影響を与える部分は、シャフトよりヘッドのほうがはるかに大きいですからね。
私はシャフトを優先すべきという考えです。その理由は、どんなにヘッドの性能が良くても、スウィングのタイミングが取りにくいシャフトでは、打点が安定せず、ヘッドの性能を生かしきれないと考えるから。タイミングの取りやすいシャフトを使用することによってスウィングの再現性を高めることができ、ヘッドのおいしいポイントで打つ確率を高めることができます。ある程度芯で打てる確率を高めたうえで、ヘッドを選定したほうがより良い結果が得られやすくなるという考え方です。
ヘッドとシャフトは、どちらも大切なので一方をこだわれば、もう一方は雑で構わないといったことにはなりません。もし予算の関係で、シャフトかヘッドのどちらかにしかこだわれないというのであれば、ヘッドにこだわったほうが得策でしょう。
自身の出やすいミスに対して有効なヘッドを選べば、結果は出しやすくなります。すでに使っているヘッドにある程度満足しているのであれば良いですが、シャフトにだけこだわっても良い結果が得られるとは限らないですからね。またシャフトは、ヘッドと比べて、性能差を見極めるのが難しいという難点があります。シャフトにこだわるのであれば、じっくりと試打をしてから判断するか、フィッティングを受けることをお勧めします。
最近は、シャフト脱着機能を持った弾頭調整機能のスリーブが一般的になりましたので、同じシャフトで異なるヘッドを打ち比べたり、反対に同じヘッドで異なるシャフトを打ち比べたりすることが容易にできるようになり、アマチュアでもヘッドやシャフトの違いを体感しやすくなりました。
より良いスコア、より良い球質を求めているゴルファーはもちろん、「道具よりも腕が大切!」と考えているゴルファーにもヘッドやシャフトにこだわることによって結果が変わることを体感して欲しいですね。自分のポテンシャルを発揮したいのであれば、ヘッドとシャフトはどちらも妥協できません!