プロゴルファーやジュニアゴルファーをはじめさまざまなスポーツ選手のメンタルアドバイザーを務める丹波幸一氏。元プロ野球の審判という異色の経歴を持つティーチングプロ、丹波氏がゴルファーに役立つ”心の操作法“を連載形式で語っていく。第13回のテーマは「成功イメージを出す方法」だ。
画像: どうすればラウンド中、プラスの自己暗示ができる?(写真はイメージ)

どうすればラウンド中、プラスの自己暗示ができる?(写真はイメージ)

最終回は、総合的なこととして、自己暗示とその効果、マインドセットをお伝えさせていただきます。

自己暗示の方法

ラウンド中には、どうしても否定的な発言ばかりが出てしまいます。実にラウンド中の80%がネガティブに引っ張られるだけあって、ここがメンタルコントロールのキーになります。成功のイメージを鮮明に描くことの重要性はお伝えしましたが、ネガティブな発言は成功のイメージに上書きしてしまうくらいのパワーがあります。

“こうしたい! こうなりたい!”と自分自身に言い聞かせ、真実のように思い込ませることが自己暗示になります。マイナスのイメージ、マイナスの発言を排除し、プラス方向に意識を持っていきます。

思い込みでもいいので、自分にはできる! 上手くいく、と言い聞かせることが、自己の意識していない部分をも肯定的に変えてくれます。

頭の中で映像が鮮明に描けるくらい、成功することだけをイメージし、言葉では前向きな言葉を心の中で復唱し続けることで自己暗示がかかります。

失敗しても自分を否定せず、上手く行った時は自分自身で己を褒めてください。

自己暗示とその効果

ネガティブな言葉が減るので、どんな状況でも動じなくなります。以前はピンチで、不安ばかりが先走り、言葉も否定的になって逆にマイナスの自己暗示がかかっていました。今後は落ち込んだり、悩んだりする機会が減少していきます。

プラスの自己暗示ができると、自分の潜在能力が遺憾無く発揮できるようになります。否定的な意識の前提があると可能性に蓋をしていることになります。

メンタルで自分がコントロールできるようになると、今後は本当に自分に合ったことに対して、新しい物事にも積極的にチャレンジできるようになります。

対話方式

ゴルフは最終的に個人で決断しなければならないスポーツです。ここに迷いがあるとパフォーマンスやイメージ作りにも影響してきます。自分の中にもう一人の自分の存在を作ります。もう一人の自分は、自分の問題を他人事で考えるような存在とします。主観を離れて他人事で問題を見つめることで、脳は客観的な視点になり、自分の問題を冷静に判断することができます。

自分だけの判断では、守るべきところを攻めて失敗したり、攻めるべきところを守りに入ってチャンスを逃したりします。もう一人の自分と相談することは、自分の問題を主観だけで見つめて、問題解決するのではなく、もう一人の自分が他人目線で冷静に客観的に見て判断します。

ラウンド中のトラブルにおいても、もう一人の自分が励まし、上手くいった時には、もう一人の自分が自分を褒めるようにします。上手くいかなくても、もう一人の自分は決して自分を責めないことをお忘れなく!

同じ失敗を繰り返す人の特徴

あなたは過去に戻れると思いますか? 過去には物理的に戻ることはできませんが、言い訳したり後悔する人は、過去に戻ろうとしている人です。このようなタイプは負の連鎖が起こりやすく、負の連鎖から脱却できないタイプです。 

では過去は書き換えられると思いますか? 過去には戻れませんが、実は過去を書き換えることは可能です。 

例えばパー5のティーショットを大きく左に曲げてしまい、距離も出ず、深いラフに行ってしまいました。Aは怒りと言い訳でセカンドも失敗し、距離も稼げずまた深いラフへ行ってしまい、結果ダブルボギーとなってしまいました。Bはティーショットのミスを受け入れ、どうすれば最小限のミスで収まるかを考えました。セカンドをフェアウェイに戻すことに専念し、サードショットでグリーンに乗せ、結果2パットのパーで切り抜けました。

Aは後悔して意識が過去に戻った思考、対してBは未来への対策で1打目の失敗をパーを取ることにより成功に書き換えました。

過去の失敗から学び対策すれば、過去のミスは成功に書き換えることは可能です。 今後ミスをした後には、必ず次はこういうイメージで成功しようと成功のイメージに書き換えてください。

成長マインドセット

メンタルでは時間の流れも把握していなければなりません。時間の流れは一般的には過去から現在に流れていると思われていますが、ゴルフではピン位置からティーインググラウンドへの逆算という時間の流れになっています。ゴルフメンタルも同じ時間の流れで未来から現在に流れます。

過去のミスを引きずる人は、後悔や苛立ちをこれから起ろうとしている未来に持ち込んでいます。 ゴルフでは、これから起こることに不安や怒りがあっては切り替えが困難になります。 

ピン位置の配置がどこかでセカンドショット、ティーショットの戦略が決まります。つまり時間は未来から現在に流れているということです。

目標設定においても、まずはそれに先んずる目的を掲げなくてはなりません。目標しか掲げていないと、失敗して目標が達成できないと、それで終わってしまいます。その先に目的があると、例え目標が達成できなくても過程となります。目的=こうありたいという姿であり最終的なゴールです。目標=目的を達成するまでのステップになります。

私が今回メンタルを連載させていただいた目的は、“可能性に蓋をしているゴルファーに、心でゴルフが変わることを伝え、心豊かなゴルフライフを楽しんで欲しい!”でした。

そして目標は、過去13回に分けて、それぞれテーマを分けて伝えてきたことでした。目的=目標+意味という感じです。皆さんも一度自分のゴルフの目的を考えてみてください。そこから目標設定の逆算が始まります。

意識を変えないと行動できないと考えているゴルファーは多いと思いますが、意識が変わるのは最後です。まずは行動してみること! 行動に移してから約30日から45日経過すれば習慣となり、やがて成果となります。そして最後に意識が変わります。

短い間でしたが、まだ伝えきれていないことは沢山あります。是非、過去の連載を読み返してみて、まずは行動してみてください。皆様が成功のイメージを鮮明に描く”天才”になることを願っております。

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