『Black Ops』シリーズはドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドで展開
「これまでにない最高のゴルフクラブを作りたい」という創業者ボブ・パーソンズの想いから、開発コストや時間に糸目をつけずに製品開発を行い、2013年に設立されたPXG。これまでは『GEN(ジェネレーションの略)』というシリーズで『GEN6』まで進んだが、2024年モデルはカスタムフィッティングを前提に設計された『Black Ops(オプス/オペレーションの略)』という新シリーズで展開。1月12日より先行予約を受付中で、商品の発送は発売日の1月24日以降になるという。
『Black Ops』の開発に対して、ボブ・パーソンズは「なぜゴルファーは、やさしさを高めるために飛距離を妥協してしまうのか、常々疑問でした。我々は、この課題に焦点を当てた研究開発に力を注いできました。そして、ついに問題を打破できました。Black Ops ウッドは、矢のように真っ直ぐボールを飛ばし、驚くほどやさしく、スタイリッシュです」と語る。
『Black Ops』のラインナップはドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドで、「あらゆるレベルのゴルファーが、これまでにない一貫性でボールを遠くに真っすぐ飛ばすために素材の追求を優先」して生まれたという。また、打音・打感にもこだわり、構造物や物体がどのように振動し、加えられた力に対してどのような耐性があるのかという、物体の構造力学を理解するために不可欠な“モーダル解析”テストを通して、心地よい打感・打音を生むウェイト構造を開発。またPXGの代名詞ともいえる“ウェイティングテクノロジー”もクラブヘッドの周辺部ギリギリに配置し、ヘッドの外壁に固定することで構造が安定し、打感・打音が向上したという。では、各クラブについて詳細を見ていこう。
1Wは『0311 Black Ops』と『0311 Black Ops Tour-1』の2機種
『Black Ops』ドライバーは、Advanced Material Face(先進素材フェース)の頭文字をとって、「AMFテクノロジー」と呼ばれるフェース設計で、素材には独自の高強度チタン合金を、また部分肉厚設計で、効率的なエネルギー伝達を可能にしたという。高精度加工のロボット研磨により、バルジ(水平方向の湾曲)とロール(垂直方向の湾曲)を戦略的に調整することで、曲率半径が異なる設計が可能になり、オフセンターヒットに対するクラブの反応が最適化され、やさしさと全体のパフォーマンスが向上した。ボディは新しい高強度複合構造で、クラウンとソールには、ハイグレードカーボンファイバーを採用。これにより、余剰重量を効果的に配置でき、慣性モーメントを高め、重心位置をより低く深くでき、高打ち出し、低スピン設計となった。 また、PXGは“ウェイティングテクノロジー”で個々人に合ったカスタムができるが、この『Black Ops』シリーズにも取り替え可能な12.5g(1個)と2.5g(2個)のウェイトが標準装備されており、求めるスピンとバイアスに合わせた調節が可能。さらに、「カスタムを前提」というだけあって、追加ウェイトは2.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20gから選択でき、微調整が可能だ。ちなみに、ウェイト調整によって、ヘッド慣性モーメントを10000g・㎠以上に高めることもできるという。
ヘッド形状は幅広いゴルファーに向けて設計された『0311 Black Ops ドライバー』とツアープロからのフィードバックをもとに開発した『0311 Black Ops Tour-1 ドライバー』の2種類。『0311 Black Ops ドライバー』は高打ち出しと低スピンとやさしさを持ち、『0311Black Ops Tour-1 ドライバー』はディープフェースで『0311 Black Ops ドライバー』よりも浅重心設計の低スピンモデル。価格は『0311 Black Ops ドライバー』が10万4500円、『0311 Black Ops Tour-1 ドライバー』が11万5500円。
PXG契約のPGAツアープロであり、新人賞を獲得したエリック・コールは、『Black Opsドライバー』を試したその週に、ザ・RSMクラシックで3位タイ。「やさしさとスピードのバランスが素晴らしい。このドライバーに変えたら、スピードと安定感、オフセンターショットのパフォーマンスの向上を実感しました。上から見た時の見え方も素晴らしく、ツアーでも自信を持って打つことができます」と話している。
クラブ | ロフト角 | 標準ライ角 | 標準クラブ長 | ヘッド重量 |
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0311 Black Ops | 8度、9度、10.5度、12度 | 60度 | 45.5インチ | 203g |
0311 Black Ops TOUR-1 | 8度、9度、10.5度 | 58.5度 | 45.5インチ | 203g |
フェースの薄肉化で飛距離性能が向上
『0311 Black Ops フェアウェイ』と『0311 Black Ops ハイブリッド』は、どちらもフェースに高強度ステンレススチールを採用。従来モデルのフェースに比べ、フェアウェイは12.5%、ハイブリッドは10.5%薄くなったといい、弾性も増すことで飛距離性能がアップ。またペリメーター(ヘッド周辺)の側面を垂直にすることでフェース面積を増やす“スクエアフェースデザイン”と組み合わせることで、クラブヘッドのやさしさが向上し、高初速、高打ち出し、低スピンを実現したという。 また、どちらのクラウンも、ハイグレードカーボンファイバーを採用することで、ドライバー同様に余剰重量を増やし、ソールやヘッド後方に再分配することで、理想的な重心位置を実現し、打ちやすくなった。フェアウェイウッドとハイブリッドにも、“ウェイティングテクノロジー”があり、個人に合わせたカスタムが可能だ。価格は『0311 Black Ops フェアウェイ』が4万9500円、『0311 Black Ops ハイブリッド』が4万6200円。
昨年のアムンディ・エビアン選手権で優勝したセリーヌ・ブティエは「新しい『0311 BlackOps ハイブリッド』をとても気に入っています。打感が軟らかく、やさしいというのが第一印象です。ヘッドは従来のモデルよりも少し大きめなので、自信を持って打てます。今シーズンこのクラブをバッグに入れて試合に出場するのが楽しみです!」 とコメントしている。
番手 | ロフト角 | 標準ライ角度 | 標準クラブ長 | ヘッド重量 |
---|---|---|---|---|
3W | 15度 | 58.5度 | 43インチ | 215g |
4W | 17度 | 58.5度 | 43インチ | 215g |
5W | 18度 | 59度 | 42.5インチ | 219g |
7W | 21度 | 59.5度 | 42インチ | 224g |
番手 | ロフト角 | 標準ライ角 | 標準クラブ長 | ヘッド重量 |
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2H | 17度 | 58度 | 40.75インチ | 230g |
3H | 19度 | 58.5度 | 40.25インチ | 235g |
4H | 22度 | 59度 | 39.75インチ | 240g |
5H | 25度 | 59.5度 | 39.25インチ | 245g |
6H | 28度 | 60度 | 38.75インチ | 250g |
7H | 31度 | 60.5度 | 38.25インチ | 255g |
なお、『Black Ops』シリーズの開発者であるカレブ・クロロフ氏にインタビューする機会を得たので、その内容は後日改めて!
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki