コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」は、スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる。今回は、先週のDPワールドツアー「ドバイ招待」で優勝したトミー・フリートウッドを「スポーツボックスAI」の3Dデータをもとに、ゴルフコーチ・北野達郎に解説してもらった。
画像: 2024年DPワールドツアーの初戦となる「ドバイ招待」で優勝したトミー・フリートウッド(写真は23年全英オープン、撮影/姉崎正)

2024年DPワールドツアーの初戦となる「ドバイ招待」で優勝したトミー・フリートウッド(写真は23年全英オープン、撮影/姉崎正)

みんなのゴルフダイジェストをご覧の皆様、こんにちは。SPORTSBOX AI・3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回は、DPワールドツアー「ドバイ招待」で優勝したトミー・フリートウッドをスポーツボックスAIで分析してみました。あの見事な逆転劇を生んだフリートウッドのスウィングは、

1.左ひじが伸びたまま体の回転で上げるトップ

2.胸の右側屈が大きいインパクト

3.インパクト後に伸びる右ひじ

画像: フリートウッドの特徴。左から①左ひじが伸びたまま体の回転で上げるトップ②胸の右側屈が大きいインパクト③インパクト後に伸びる右ひじ

フリートウッドの特徴。左から①左ひじが伸びたまま体の回転で上げるトップ②胸の右側屈が大きいインパクト③インパクト後に伸びる右ひじ

以上の3点が主な特徴で、「前傾角度をキープしたまま振り抜く」ヒントがたくさんあります。それでは早速見てみましょう。

まずアドレスですが、グリップは左手がストロング、右手がスクエアです。まず左手をストロングで握ると、フェースは自然に閉じやすくなります。フリートウッドのようにインパクトでの胸の右側屈が多いと、グリップが左右ともスクエアだとフェースが開きやすくなりますので、左手はストロングに握ってフェースが開かないようにしています。

画像: 画像①アドレス/左手はストロングでつかまりを確保し、右手はスクエアでつかまり過ぎを抑えるグリップ。胸の前屈角度は深め

画像①アドレス/左手はストロングでつかまりを確保し、右手はスクエアでつかまり過ぎを抑えるグリップ。胸の前屈角度は深め

あえて右手はスクエアにしている理由ですが、右手もストロングに握るとバックスウィングで右脇が締まるのでトップが低くなりやすく、スウィング軌道がインサイドアウトになり過ぎて逆につかまり過ぎてしまうのを防ぐ為だと考えられます。

左右のグリップでそれぞれの目的は異なりますが、インパクトでの胸の右側屈が多いフリートウッドにマッチしたグリップです。また、アドレスの胸の「BEND」(前屈)の角度は40.7°です。この前屈角度に関してはインパクトで後述します。

次にトップを見てみましょう。トップでの特徴は、「左腕の長さが保たれている」点です。左
ひじの屈曲角度を表す「LEAD ELBOWFLEXION」は、155.3°です。スポーツボックスAI社が独自に調査した「トップでの左ひじの屈曲角度」のPGAツアーレンジ(範囲)は、134.1°〜155.5°。フリートウッドは155.3°ですので、左ひじが伸びたままトップに入るタイプであることが分かります。

画像: 画像②トップ/トップで左腕が伸び、胸と骨盤は充分に回転されている

画像②トップ/トップで左腕が伸び、胸と骨盤は充分に回転されている

このトップでの左腕の長さを保つには、腕ではなく体の回転でテークバックする必要があります。胸の回転量を表す「CHEST TURN」は−99°右、骨盤の回転量を表す「PELVIS TURN」は−47.7°右と、いずれも充分な回転量があります。

このトップを作るポイントは、「テークバックで両腕の三角形を崩さずスウィングアークを長くすること」です。早めに左ひじが曲がって両腕の三角形が崩れると、このトップにはなりません。テークバックを腕で上げずに、両腕の三角形をキープしたままスウィングアークを長く取れると、フリートウッドのように左ひじが伸びたトップを取れるようになります。

続いてインパクトを見てみましょう。フリートウッドと言えば、「インパクトでの右側屈が多い」のが特徴ですが、その「胸の側屈角度」を示す「CHEST SIDE BEND」は38.3°右です。これはスポーツボックスAIのPGAのツアーレンジ(25.3°〜37.3°右)と比べてもやはり多めのデータになっています。この右側屈が入ることで、インパクトでも前傾角度を保つことが出来ます。

インパクトでの右側屈角度の目安は、アドレスの胸の前屈に近い角度です。フリートウッドはアドレスでの胸の前屈が40.7°と深めですので、インパクトの胸の右側屈も自然と深くなります。

画像: 画像③インパクト/アドレスでの胸の前屈角度が深いので、インパクトでの胸の右側屈も自然と深くなる

画像③インパクト/アドレスでの胸の前屈角度が深いので、インパクトでの胸の右側屈も自然と深くなる

この右側屈に関連する、もう1つのチェックポイントがあります。それは「胸と骨盤の左右移動量の差」です。胸の左右移動量(アドレスを0とする)を表す「CHEST SWAY」は‐1.8cm右、骨盤の左右移動量を表す「PELVIS SWAY」は14.8㎝左と、その差は約16.6㎝あります。これは「上半身はその場で回転して下半身は左に移動することで、結果として胸の右サイドベンドが多くなっている」とも言えます。この右側屈を生み出す「胸と骨盤の移動の左右差」が出来ると、クラブのアタックアングルはアッパーに入りやすくなりますので、効率良いドライバーショットが打てます。

最後にフォロースルーを見てみましょう。フォロースルーでは、右肘の屈曲角度「TRAIL ELBOW FLEXION」に注目します。フォロースルーでの右肘の角度は164.5°と長く伸びているのに対して、先ほどのインパクトでの右肘の角度は148.6°です。このデータの比較から分かるのは、「右肘はインパクト後に伸ばされる」ということです。

画像: 画像④フォロースルー/インパクトよりフォロースルーで右肘が伸びている。前傾角度を深く保つための秘訣

画像④フォロースルー/インパクトよりフォロースルーで右肘が伸びている。前傾角度を深く保つための秘訣

もし右肘が早めに伸びてクラブのリリースが早くなってしまうと、前傾角度を深く保つとボールの手前をダフリますので、それを防ぐ為に前傾が起き上がってしまうのですが、フリートウッドはインパクトまで右肘が曲がったまま、フォロースルーで伸ばされるので前傾角度と右側屈を深く保つことが出来るのです。この右肘のリリースのタイミングも前傾角度を保つ秘訣と言えますね。

今回は、トミー・フリートウッドのドライバースウィングを分析させて頂きました。昨年はライダーカップでもヨーロッパチームの勝利に貢献して、今季早くも1勝目を挙げたフリートウッド。彼のメジャー初優勝はあるのか? 今年のフリートウッドに要注目ですね!

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