昨年、目標にしていた「年間2勝」を見事達成し、今年は「メジャー優勝」を目指す青木瀬令奈。いったいどんなオフトレを行っているのか? 1月9~20日まで沖縄で合宿を行っているということで、月刊GD編集長・五十嵐が現地で直撃取材!
画像: 梅野選手のバットを借りてバッティングを行った青木。バットには梅野選手の名前入り。控えめに言って、超贅沢!(撮影/三木崇徳)

梅野選手のバットを借りてバッティングを行った青木。バットには梅野選手の名前入り。控えめに言って、超贅沢!(撮影/三木崇徳)

どん欲にチャレンジする精神が青木の武器

毎年沖縄で合宿を行っているという青木。今年は主に、開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」の舞台である琉球GCと、「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」が開催されるかねひで喜瀬CCを半分ずつラウンドする工程で合宿が行われていた。当然、ラウンドがメインになるが、そこにハードなトレーニングを入れたり、弱点を重点的に練習したり、合宿ならではの取り組みも行っていた。そして今回は、トレーニングの中に“野球”を取り入れているということで、元野球少年である月刊GD編集長・五十嵐が過敏に反応。「それなんですか? ひょっとして誰かプロ野球選手とやったりするんですか? 一緒に行ってもいいですか?」と、かなり前のめりに。するとなんと、阪神タイガースの梅野隆太郎選手と練習するという情報を青木本人からキャッチ! 帯同OKということになったので、スキップしながら野球場へ向かった。(スキップとは興奮しすぎ……)

野球に詳しい方なら知っているかもしれないが、梅野選手は昨年日本一になった阪神タイガースの正捕手(昨シーズンはシーズン中盤のケガのため72試合にとどまった)として長年チームを支えているだけでなく、東京オリンピックの日本代表にも選出されたバリバリの“1億円プレーヤー”。異なる競技のアスリート同士で自主トレを行うことは珍しくないが、どのようなきっかけでこの自主トレが実現したのか?

画像: 重くても関係ない!? 抜群のセンスでいい当たりを連発。野球経験者ならわかると思うが、これ、そう簡単ではありません!(ひざに手を当ててみているのが梅野)(撮影/三木崇徳)

重くても関係ない!? 抜群のセンスでいい当たりを連発。野球経験者ならわかると思うが、これ、そう簡単ではありません!(ひざに手を当ててみているのが梅野)(撮影/三木崇徳)

「3年前にゴルフ場で偶然お見かけして、私はもちろん梅野さんのことは知っていたし、阪神タイガースの選手の中でイチバンの“推し”だったので、思い切って声をかけたのがきっかけですね。そこから交流が始まって、ゴルフをご一緒したりしました。今回は、たまたま同じ期間に沖縄で合宿をされているとのことだったので、お邪魔することにしたんです」(青木)

ゴリゴリのトレーニングを一緒に行うことはなかったが、バッティング練習が始まると、ゴルフウェアを着た青木が打席に入った。とは言え、ピッチャーがいるわけではなく、近くで下から軽く投げてもらって打つ“トスバッティング”をすることに。青木はもちろん“振るのが仕事”だが、普段持っているのは約300グラムのゴルフクラブ。それがいきなり900グラム近くあるバットに変わったら、当てるどころか振ることもままならないはず……と、思って見ていたが、はっきり言って無駄な心配で、ゴルフクラブがバットに変わっても“振る”感覚と“当てる”感覚は鋭く、いい当たりを連発していた。

「バッティングは難しかったですね。止まっているボールを打つほうがはるかに簡単です(笑)」と言っていたが、ナイスバッティングの秘密は、「ひょっとしたら日々のトレーニングにあるのかも」と話す。

画像: コーチである大西翔太プロも梅野選手に投げてもらってバッティング。小さい頃に野球をやっていたというだけあって、力強いスウィングを披露(撮影/三木崇徳)

コーチである大西翔太プロも梅野選手に投げてもらってバッティング。小さい頃に野球をやっていたというだけあって、力強いスウィングを披露(撮影/三木崇徳)

「軽いバットやテニスラケットで今日と同じようなバッティング練習をやっています。動いているボールに対しては、左足を踏み込む動きがとても重要だと感じていて、これはゴルフにも通じる部分。切り返しでの左への踏み込みは、パワーを生み出すために必須。日頃のバッティング練習で実感していたので、その辺りを意識して振りました。そのおかげで少しは当たったんだと思います。でも、バットもボールも重いので、改めてプロ野球選手のパワーに驚きましたね」(青木)

後ろで見ていた梅野選手も「振り方はやっぱりゴルファーですけど、あれだけ当てられるのはスゴイ。“当て感”が素晴らしいですね」と脱帽していた。

低年齢化が進む女子ツアーにあって、青木は30歳の昨年、キャリアハイのシーズンを過ごした。そして今年、メジャー優勝のために新たな挑戦を行っている。バッティング練習もそのひとつで、上手くなるための努力を怠らない。この姿勢こそ、年齢を重ねてもツアーの第一線で活躍できる要因だろう。どうやら今年の青木瀬令奈も、期待できそうだ!

※2024年2月発売の『月刊ゴルフダイジェスト 4月号』で青木の沖縄合宿の詳細と青木&大西のレッスンを掲載予定。乞うご期待!

画像: 身振り手振りで青木にバッティングのポイントを説明する梅野選手。「羨ましい限りです」と月刊GD編集長・五十嵐(撮影/三木崇徳)

身振り手振りで青木にバッティングのポイントを説明する梅野選手。「羨ましい限りです」と月刊GD編集長・五十嵐(撮影/三木崇徳)

PHOTO/Takanori Miki

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