現地時間の1月25~28日の日程で、米国フロリダのブレイデントンCCで開幕する「LPGAドライブオン選手権」。多くの米LPGAツアープレーヤーにとって開幕戦となる大会のエントリーリストに国旗のない選手を発見した。

飛距離が魅力の20歳!

画像: 米LPGAのHPでLPGAドライブオン選手権に出場するエントリーリストをみるとNo.118の「Nataliya Guseva」の欄の国旗がない!?(米LPGAのHPより抜粋)

米LPGAのHPでLPGAドライブオン選手権に出場するエントリーリストをみるとNo.118の「Nataliya Guseva」の欄の国旗がない!?(米LPGAのHPより抜粋)

古江彩佳、畑岡奈紗、勝みなみ、稲見萌寧、西郷真央が出場予定の「LPGAドライブオン選手権」。有力選手は誰が出るのかと思い、エントリーリストを確認していると、“Nos. 21-45 Q-School”という項目の「Nataliya Guseva」という名前の横に国旗がないことに気づいた。

名前を検索すると、米LPGA下部ツアーのエプソンツアーが昨年アップしたYouTubeに自己紹介動画を発見。“ナタリヤ・グセバ”と発音するらしい。引き続き調べていくと、2003年3月6日生まれの20歳というから、岩井明愛・千怜姉妹や桑木志帆と同い年ということになる。本大会には西郷真央や吉田優利が出場した昨年のQスクール23位の資格で出場するようだ。

経歴を見ると、出身はロシアのモスクワで、2020年(逆算すると高校年代)までは母国に住んでいたようで、ヨーロッパのジュニア大会や日本女子アマのような年齢制限のない各国のナショナルアマチュア大会に出場し、輝かしい成績を残している。21年に渡米し、古豪マイアミ大学に入学。レギュラーとして頭角を現すと、21年4月にはACC(※)のフレッシュマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。米国でも実力の高さを認められ、その後、22年末にプロ転向。23年は米LPGA下部ツアーのエプソンツアーに参戦し、7月『ブラックデザートリゾート選手権』で優勝。最終的には19試合を戦い、優勝を含むトップ10は3回で賞金ランクは14位だった。最大の魅力は平均281.18Yの飛距離。フィールドが違うので単純比較はできないが、この飛距離はレギュラーツアーで平均飛距離1位のポリー・マック(281.750Y)とほぼ同じ。60.6%(78位)のフェアウェイキープ率を上げることができれば面白い存在だ。また、昨年末に実施された欧州女子ツアー(LET)のQスクールでは見事1位となり、24年シーズンは米LPGAとLETの2つのフィールドに参戦予定。
※ACCとは「アトランティック・コースト・カンファレンス」の略称で1953年に創設された米国の大学スポーツリーグのひとつ。大西洋岸の12校で構成されている

画像: 練習場でのグセバ。飛距離が魅力だが、使用ドライバーはヘッドが『TSR3』、シャフトが『ツアーAD DI』(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

練習場でのグセバ。飛距離が魅力だが、使用ドライバーはヘッドが『TSR3』、シャフトが『ツアーAD DI』(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

なお、本題のタイトルにある「国旗が掲示されていない理由」は、国際オリンピック委員会のガイドラインのため。ロシアのウクライナ侵攻以降、米LPGAとLETのウェブサイトにはロシア国旗が掲載されなくなっている。ちなみに、国際ゴルフ連盟(IGF)は「ロシアとベラルーシ国籍の選手のオリンピック参加については中立選手として認める」旨を表明しているので、グセバがオリンピックゴルフランキング(OGR)で60位以内に入れば出場可能だ。
とはいえ、1月24日現在、OGR60位のドッティ・アルディナ(フィリピン)のロレックスランキングは338位(0.32pt)で、グセバが493位(0.18pt)なので、いまのところはパリオリンピックへの出場圏外。ただし、前述のとおり、米LPGAとLETに出場できるので、出場可能な位置にいることは確か。覚えておいて損はない選手だろう。

画像: LPGAドライブオン選手権で撮影に応じるグセバ。正統派美人で今後人気上昇は間違いないだろう(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

LPGAドライブオン選手権で撮影に応じるグセバ。正統派美人で今後人気上昇は間違いないだろう(撮影/Yasuhiro JJ Tanabe)

PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe

This article is a sponsored article by
''.