コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」を駆使する北野達郎コーチ。2024年1月23~26日の日程で開催された世界最大級のゴルフ見本市「PGAショー」を視察したというので、その様子をレポートしてもらった。

みんなのゴルフダイジェストをご覧の皆様、こんにちは。SPORTSBOX AI・3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回はアメリカ・フロリダ州オーランドで先週開催されました「PGAショー」を視察したので、その模様をレポートします。

画像: 画像①/オーランドの公共交通機関「LYNX」バス。会場まで片道1時間弱かかるが、1番リーズナブル

画像①/オーランドの公共交通機関「LYNX」バス。会場まで片道1時間弱かかるが、1番リーズナブル

画像: 画像②/オーランドのバス停

画像②/オーランドのバス停

PGAショーはオーランド国際空港から西へ約20kmの「オレンジ・コンベンションセンター」で開催されます。私は行きも帰りも「LYNX」というバスに乗って移動しました。この「LYNXバス」はオーランドの公共交通機関で、毎日77路線でバスを運行していて、例えばフロリダ・ディズニーランドや、ユニバーサルスタジオ・オーランドといった観光地もこのバスで行くことができます。

チケットは現金で支払うか、公式アプリからカード払いで行き先を選んで購入するかを選択できますが、今回私はアプリから1日乗り放題のチケットを1回4$で購入して移動しました。チケットは他にも2$の「スタンダード」というタイプもあり、こちらは90分追加チケットなしで乗れるチケットですので、近場を移動する際にはこちらの方が安いです。アプリでチケットを購入したら運転手さんにチケットを掲示すればOKです。なお、現金払いの場合はお釣りが出ないので要注意です。目的地で降りる時には窓際にぶら下がっているワイヤーを引っ張ると次のバス停で停車してくれます。

オレンジ・コンベンションセンターに到着したら、大きなパンサーの銅像が目印の入口から建物内に入ってチェックインを行います。このチェックインも機械を操作して事前に参加登録したQRコードをタッチすれば、自動的にチェックインが完了して、受付のスタッフからバッジを受け取れます。なお、コンベンションセンターとは別の場所にあるDEMO DAYの会場でも事前チェックインが必要ですので、来年以降にPGAショーに参加したいと思われた方は「まずチェックイン」と覚えておくと良いでしょう。

画像: 画像③/オレンジ・コンペンションセンターの前に設置されているパンサー像

画像③/オレンジ・コンペンションセンターの前に設置されているパンサー像

チェックインを済ませたら、DEMO DAYは入口から発車している無料バスに乗って、バスで30分ほど移動した所にある「オレンジ・カウンティ・ナショナル&ロッジ」に向かいます。会場は噂以上の広大な敷地で、メーカー各社の試打コーナーは芝の上から打てるので、特にアイアンやウェッジのソール形状やバウンス角をフィッティングするのに最高の環境でした。

画像: 画像④/DEMO DAYでは、芝の上から試打が出来る。将来有望のジュニア達もクラブチェックに余念がない様子

画像④/DEMO DAYでは、芝の上から試打が出来る。将来有望のジュニア達もクラブチェックに余念がない様子

私も実際に洋芝の上からウェッジ等を打って感じたのは、「アマチュアには絶対にソールが広めでバウンスが大きいウェッジがやさしい」ということです。よく日本からPGAツアーに参戦しているトッププロが「洋芝対策」として、ソール後方を削ってバウンス角を少なくするチューニングを行なっているケースがありますが、その理由はツアーの硬くて速く、ピン位置がタイトなセッティングでは、ロブショットなど高く上げてピン側で止められるショットが要求されるから。その場合はフェースを思い切り開きますが、洋芝はボールが沈むので、バウンスが多いとリーディングエッジが必要以上に浮いてしまって、ボールの下部にエッジを入れにくく、そのため削っているのです。

しかし、最近のTPIなどでいわれるフェースをロフト通りに構えて打つ“フィネスウェッジ”の場合は、バウンスが大きくソールが広いウェッジのほうが、リーディングエッジが少し浮く分だけ地面に刺さりにくく、芝生が軟らかく刺さりやすい洋芝でもソールが滑りますので、ザックリのミスに寛容です。私もピンの新作『S159』を打たせてもらいましたが、最もソールが広くてバウンスが効いたWグラインドが、オーソドックスなアプローチでは最もやさしく感じました。よく「リーディングエッジが浮くとソールが跳ねてトップしそう」という理由で、バウンスが少ないウェッジを選ぶゴルファーも多いですが、その選び方は逆にザックリのミスが増える可能性が高いので、入射角が一定ではない方にはお勧めしません。ソール幅とバウンスがもたらすやさしさは、芝が違えど日本もアメリカも同じという印象でした。

もう1つ感じたのは「アメリカの標準スペックは噂通りシャフトが硬い」ということです。今回、私が日本担当させて頂いている「スポーツボックスAI」が、シャフトメーカー「LA GOLF」とのコラボで、ドライバーでのスウィングをスマホで3球撮影して、AIが自動でシャフトフィッティングを行うシステムを開発しましたので、LA GOLFのシャフトを試打しました。

画像: 画像⑤/AIフィッティングを行っている様子。正面からスマホで撮影して、3球打つと自動的にベストマッチングのシャフトが選定されるフィッティングシステム

画像⑤/AIフィッティングを行っている様子。正面からスマホで撮影して、3球打つと自動的にベストマッチングのシャフトが選定されるフィッティングシステム

今回、試打したのは「Aシリーズ」のMID・50の4(S)でしたが、全体的にしっかりしていて、シャフトが暴れない分だけ打点が安定しやすく、方向性に優れたモデルでした。その他の純正Sシャフトも打ちましたが、「シャフトが硬め」の印象は変わらず、自然と「シャフトに負荷をかけてしっかり振り切る」スウィングを求められる環境だなと感じました。実際、DEMO DAYでも300Yオーバーのプレーヤーがたくさんいて、「パワーゴルフの本場」の迫力を実感しました。

画像: 画像⑥北野が試打したLA GOLFのSシャフト。全体的にしっかり目で、打点が安定するのが特徴

画像⑥北野が試打したLA GOLFのSシャフト。全体的にしっかり目で、打点が安定するのが特徴

対して日本ですと、今はクラブメーカーの純正シャフトは総じてフレックスSでも、カスタムシャフトメーカーのSより軟らかい傾向があり、ゆっくり振ってもシャフトがしなるので、そこまで強く振ることは求められません。もちろん「シャフトのしなりを利用するスウィング作り」も大事ですが、同じくらい「最大限に強く振り切るスウィング作り」も大事と実感しました。この辺りのクラブスペックの日米の違いは、環境や文化によるものが大きいですね。

今回はDEMO DAYの模様を中心にご紹介させて頂きました。次回は、DEMO DAYの夜に行われたオープンフォーラムとPGAショー本番の模様をレポートします!

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