ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回は「アドレスで静止しない」がテーマです。

画像: 「松山英樹選手もアドレスで、よく見ると腰や手元を揺らしてリズムを取っています」(マツケン氏)

「松山英樹選手もアドレスで、よく見ると腰や手元を揺らしてリズムを取っています」(マツケン氏)

ボールが止まっているからこそ難しい!

今回は、アドレスで固まってしまうタイプの方へのアドバイスです。

ゴルフは静止しているボールを打ちます。ゴルフをやらない人からすると、「止まっているボールを打つなんて簡単でしょ」と思うかも知れませんが、ゴルフを少しでも経験した人なら、「止まっているからこそ難しい」と実感されているのではないでしょうか?

野球やテニスは相手が打ってきたボールを打ち返す、いわば「リアクション型」。向かってくるボールにいかに反応するか、が問われます。それに比べて、ゴルフや、テニスのサーブ、ラグビーや、サッカーのゴールキックなどは、自分が静止した状態からボールに対してアクションしていく、「セルフアクション型」。

こうして分類してみると、気付くのは、セルフ型ではボールを打つまでのルーティーンをパターン化し、同じ間合い、リズムを保っていること。テニスのサーブなら、何度か地面にボールを打ち、間合いを整えてスウィングに入ります。ラグビーでも五郎丸選手を引き合いに出すまでもなく、毎回同じルーティーン、同じテンポを繰り返しています。

ゴルフでも一定のルーティーンとリズムは重要だと言われていますが、今回着目したいのは、「静止しない」という点です。ボールが止まっているということは、スウィングのきっかけ、スタートするタイミングは自分で作らなければなりません。

上級者やプロを見ていると、このスイングの始動までの手順が一定で、リズムも一定です。ボールに近づいていくところから、アドレスに入ってからスウィングの終わりまでの動きが淀みなく、実にスムーズです。

そして多くの選手に共通しているのが、「静止しない」という点です。ボールに歩み寄って、フェースを合わせ、スタンスを決め、バックスウィングをスタートさせる、

この一連の流れの中で、ほとんどの選手がワッグルを繰り返したり、足や腰を動かしたりして、身体を静止させないようにしているのです。一見、静止している時間が長いように見える松山英樹プロも、よく見ると腰や手元を揺らしてリズムを取っています。

ひるがえって、ボールを初めて打つビギナーは、下半身を踏ん張り、息を詰めてボールをにらみつけ、全身の筋肉を硬直させて、クラブを振り上げていきます。経験者の方でも、プレッシャーのかかった時や、気合が入り過ぎた時など、こうした状態になることもあるかと思います。

うーん、これでは、止まっているボールをスムーズに打つことは難しいですよね。

硬直しがちなアドレスをする人にまずやってもらいたいのが、足裏をパタパタと動かすこと。アドレスした状態で、踵やつま先が地面からしっかり離れるくらい、大きく動かしてみて下さい。自分では動かしているつもりでは周囲から見たら、きっと「ほとんど動いてないよ」と言われることでしょう。他人から見て、一瞬でも足裏が見えればOK。硬直した状態からは脱していると言えます。

それが出来たら、自分なりに始動までの流れを考えてみて下さい。動かし方に特に決まりがあるわけではありませんが、とにかく、「静止しない」こと。足や腰、肩や手首などを、自分がリズムを取り易いように動かし、「静止しない」アドレスを作るのです。

普段はスムーズに出来ているひとでも、緊張した場面では動かしにくくなるもの。静止しない、止まらない、アドレス。ちょっと意識して頂けたら、リズムやテンポが安定した上級者に一歩近づけるかも知れませんよ!

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