河本結が使用しているのは、「パラダイム Aiスモーク ♦♦♦(トリプルダイヤモンド)MAX」。メーカーのホームページには載っていない、いわゆる“ツアーモデル”を投入している。性能は公表されていないため、どんなクラブなのかを、まずはキャロウェイツアー担当に聞いた。
「♦♦♦はそもそも少しコンパクトめ(ヘッド体積450cc)に設計されていて、“プロウケ”のいいクラブであるということはあります。とはいえ、もう少しやさしいほうがいいという声があり、それを反映したモデルになりますね。具体的には、ヘッドがシャローになっていて、少し大きく見えるようにしました。構えたときの安心感や、やさしさを感じられる設計になっています」
♦♦♦を使いたいけれど、少し難しい印象が出てしまうプレーヤーに“ドンズバ”のクラブだという。だが、単純に“やさしい”のなら、通常の「パラダイム Aiスモーク MAX」でいいのでは? と思ってしまう。しかしそこには、♦♦♦ならではの性能が隠されている。
「♦♦♦はそもそも“ロースピンモデル”として作られています。そこは大前提としてあって、そこから“若干”やさしくなったというくらい。あまりにやりすぎると、それこそ通常モデルと変わらなくなってしまうので、ロースピンモデルでありながら少しつかまり性能を加えたクラブという認識をしてほしいです」
では、河本はなぜこのクラブを選んだのか?
「やさしいプラス飛ぶというのが一番。正直、飛距離だけだったら♦♦♦のほうが飛びます。ただ、私の場合はミスをしたときの幅が大きくなってしまったので、確率が悪かったんです。でも“MAX”は本当に曲がらないんです。ここまでミスに強いとは思いませんでした」
今までは通常モデルしか使ってこなかったという河本だが、♦♦♦シリーズを打ってみたら意外やさしくて驚いたという。
「やっぱり、今までは少し難しいイメージがあったんですよね。でも、実際に打ってみると初速は速いのに球を押せる感じが出るし、ほどよくつかまってくれるので、これは試合で使えるなと思いました。ノーマルシリーズは“球がつかまる”“上がりやすい”といった、総じてやさしいクラブですね。私は飛距離を求めているので、♦♦♦シリーズに挑戦しようと思ったんです」
河本はクラブ選びで飛距離性能と同じくらい“顔”にもこだわっている。
「大きすぎる見えるのは嫌だけど、難しく感じてしまうのもダメ。そういう意味で“♦♦♦ MAX”はちょうどいい見え方をしていたので、最初に構えたときにいいイメージが湧いたんです。フェース面も真っすぐ向いているし、見た目から曲がりにくそうな感じがしてよかった。シャローになった効果だと思います」
“♦♦♦ MAX”なら河本が理想とするスピン量2000回転前後の強い“中弾道ストレート”ボールが打ちやすいという。
例年、ツアーモデルは通常モデルよりも遅れて数量限定で発売しているところを見ると、この“♦♦♦ MAX”も夏前にラインナップに追加される可能性も大いにある。河本絶賛のドライバー、要注目だ。