3日目の今日は13.8度と冷え込んだ琉球GCで14番ホールまでに岩井千怜選手が9つのバーディを奪う圧巻のプレーを見せ、西郷真央選手も3つのバーディを奪い、見ごたえのある展開でした。ところが、15番ホールで千怜選手はティーショットを左に曲げ、木の後ろから花道を狙ったショットが左手前のバンカーにつかまりダブルボギー、西郷選手も3パットのボギーとつまづきます。
続く16番でも千怜選手はボギーとスコアを落としますが、「やっちゃたなあ、と思いましたがゴルフの内容は悪くない」と切り替えると、17番をバーディとし7アンダーの65でホールアウト。13番、15番、17番をボギーとした西郷選手に1打のリードを持って最終日に臨みます。
西郷選手は、「ショットもパットもあまりよくなかった中でバーディを獲れていたが、後半はパットの距離感が合わなかった」といい、「明日は今日のプレーを忘れて気持ちを新たにプレーしたい」とラウンド後の会見で話しました。
何度もピン近くに寄せる千怜選手のショットに加えて「パターが本当に良かった」と次々にバーディを決め、菊地絵理香選手を合わせた最終組のプレーは、3648名入場した多くのギャラリーを魅了し、どよめきや歓声をコース内に響き渡らせていました。
そんな3日目ですが、私が注目したのは、6アンダー5位タイに位置する天本ハルカ選手です。福岡県出身で伊澤利光プロに師事する98年生まれの黄金世代の一人です。オフには同郷の小田孔明プロらと練習を共にし、トレーニングも積み重ねてきたといいます。
「ショットの調子はまだまだ」と会場入りしてから試行錯誤しながら調整しているといいますが、初日を5アンダー2位タイで発進し、雨風の強かった2日目を73と耐え、3日目は2バーディノーボギーで上位に踏みとどまっています。
チャンスにつけてもパットが決まらずバーディが遠い1日になりましたが、ノーボギーのプレーは明日につながる内容でした。天本選手のプレーを見て昨年までと大きく変わったのはプレーのペースでした。
風の読みや難しいシチュエーションになるとプレーが遅くなる傾向が見られていましたが、とてもテンポよくプレーしていましたのでラウンド後に聞いてみると、「昨日は雨や風で考えすぎることもあったので今日はリズムよく回れるよう考えていました」と昨年からプレーのペースの改善を目標の一つにしてきたことが開幕戦での上位でのプレーにつながっているようです。
23年のメルセデス・ランキング43位で初シード入りした天本選手に今後にも注目していきましょう。
話しは逸れますが、今季からJLPGAではスロープレーの累積違反回数に対して罰金を科すことを定めています。ルーリングや紛失球、アンプレヤブルなどのケースは含まずに、プレーのペースが遅くなった場合、イエローカードやバッドタイムの回数によって罰則が科されるようになりました。
レギュラーツアーの場合だと、1回目は注意、2回目は10万円、3回目は20万円、4回目は50万円、5回目は50万円の罰金及びJLPGAが別途定める講習会への参加義務と厳しい罰則となっています。
ステップ・アップ・ツアーにおいては、1回目は注意、2回目は1万円、3回目は2万円、4回目は5万円、5回目は5万円の罰金及びJLPGAの別途定める講習会への参加義務となっています。
昨年初優勝を飾ったリ・ハナ選手もプレーのペースを改善して成績が上がりましたし、考えすぎずにイメージや直感を優先してプレーすることもゴルフでは大切な要素だと思います。
13アンダーで首位に立った岩井千怜から4打差以内に西郷真央、仁井優花、菊地絵理香の4名。6アンダーに山下美夢有、天本ハルカ、5アンダーに鈴木愛と続いています。開幕戦を制するは誰になるのか、最後まで見届けてレポートをお届けします。