国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の最終日。1打差の首位で出た岩井千怜が5バーディノーボギーでプレーし、追いすがる西郷真央を2打差で退け開幕戦を制した。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からレポートをお届け。

開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」は初日から見ごたえのある展開が続いていました。最終日は岩井千怜が首位、1打差で西郷真央、4打差に菊地絵理香、仁井優花と続きスタートしました。肌寒い曇り空を吹き飛ばすように西郷選手が出だしのホールでバーディを奪い、千怜選手と並ぶと、2番で千怜選手がバーディ、3番で西郷選手がバーディと取ったら取り返す展開に6000人を超えるギャラリーも歓声を上げます。

画像: 24年国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」をトーナメントコースレコードで制した岩井千怜

24年国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」をトーナメントコースレコードで制した岩井千怜

7番では仁井選手を含めた全員がバーディを奪い、千怜選手と西郷選手が15アンダーで並び前半を折り返します。11番のパー5でバーディを決めた千怜選手に対して西郷選手は決められず、1打ビハインドに。しかし12番でバーディを奪い返して再び並びます。14番で千怜選手がバーディで1打リードすると西郷選手は15番で3打目をオーバーし、返しのパーパットを決められず痛恨のボギー。

画像: 4日間で1イーグル22バーディを奪う。好調なパッティングが冴えた

4日間で1イーグル22バーディを奪う。好調なパッティングが冴えた

17番をバーディとした千怜選手は西郷選手との差を3打に広げ、最終ホールへと進みトーナメントコースレコードの18アンダーで開幕戦の優勝を手にしました。

大会期間を通して感じたことを心技体の順番でいうと、気持ちを切らさない終始落ち着いたプレー、雨や風、打ち上げや打ち上げや振られたピン位置に対して距離感を合わせたアイアンショット、1イーグル22バーディを奪ったパッティング、そしてショットの安定感に加えて海外での2戦を終えそのまま沖縄入りしながら最終ホールまで集中力を切らさない体力のすべてが嚙み合った優勝でした。

画像: オフのトレーニングの成果で悪天候でもショットが安定したという

オフのトレーニングの成果で悪天候でもショットが安定したという

オフには夕食が喉を通らないほどのキツイトレーニングを重ねて来たといい、「ショットの安定性につながりました。トレーニングをしてきて良かった」と優勝会見で話しました。ハードなトレーニングが体だけでなく心も鍛えたことが、雨風の多かった天候や琉球GCの難しいグリーンのコンディションに気持ちを切らすことなく戦えたことにつながりました。

一方の2打差の敗戦となりましたが西郷真央選手も心技体はかなり追い込んで来た通りのプレーぶりでした。3位の菊地絵理香選手と西郷選手が5打差と、上位2人が抜きんでていたことは間違いありません。「取りたいところでバーディが獲れなかった」とラウンド後の囲み会見で話しましたが、「バーディ獲った後の自分のマネジメント力だったり、気持ちの持ち方だったりというのは、すごく気をつけて4日間プレーしようと思い、そこは特に問題なくできたかなとは思います」と取り組んできたことの成果もありました。

画像: 優勝した岩井千怜とは2打差の2位で終えた西郷真央。次週から米女子ツアーに参戦する

優勝した岩井千怜とは2打差の2位で終えた西郷真央。次週から米女子ツアーに参戦する

次週から参戦予定の米女子ツアーでも西郷選手らしいプレーを見せてくれるに違いありません。

リーダーボードに目を移すと3位にオフのトレーニングを頑張った菊地絵理香、4位タイに開幕前は「調子が良いと言えない」と話していた神谷そらと、プレーのペースが改善されテンポよくプレーした天本ハルカ、終盤苦しみながらも耐えた仁井優花選手が入りました。7位には昨年終盤に調子を崩していた佐久間朱莉、8位にQTを1位で通過した宋ガウン、9位タイに地元沖縄で大学在学中の荒川怜郁、昨年プロテストを通過し、QTも突破した髙木優奈選手らが続きました。

次週は高知県の土佐CCに舞台を移し「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」が4日間の日程で開催されます。開幕戦で活躍した選手、出遅れた選手がどんなドラマを見せてくれるのでしょうか。引き続き注目していきましょう。

写真/岡沢裕行

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