練習を重ね、コースマネジメントについて考えを巡らせてプレーしても、なかなか思うようにスコアが伸びてくれない。そんな悩みを持つゴルファーは少なくないだろう。
こういった悩みに対して兼濱は「まず『戦う場所』、つまりコースをしっかり選べているかを考えてみましょう」という。
「100切りを達成するうえでは、コース選択もマネジメントのうちだと思います。もし今の自分の力量では及ばないような難易度のコースをプレーしていたとしたら、スコアが伸び悩むのは当たり前の話ですからね。逆にひたすらやさしいコースを選べと言いたいわけでもなくて、ちゃんと自分の実力に見合ったコースを選択しましょう、ということです」(兼濱、以下同)
もちろん「良いスコアを出すこと」だけがゴルフの楽しみ方ではないが、少なくとも100切りが目標の“スコア勝負”をするのなら、勝算のあるコースを選ぶことが大切というわけだ。
では、実力に見合ったコースであるかをどう判断すればいいのか。もっとも明解なのは「自分のドライバー平均飛距離に対して、コースの総ヤーデージがどれだけあるか、ですね」と兼濱は続ける。
「例えば、ドライバーの平均飛距離が180ヤードのゴルファーが、総距離7000ヤードのコースで100切りを目指すのって相当しんどいですよね。総距離が長いコースと短いコースでは、ホールごとの難易度も当然変わりますし。そして飛距離は自力がもろに出る部分で、これがコースの距離と極端に見合ってなければ、コースマネジメントも机上の空論になってしまいます。なので自分の技術とマネジメントをちゃんと試せる距離設定のコースを選ぶことが大事なんです」
具体的な数字で基準を作るなら「2020年にUSGAが『平均ドライバー飛距離×28=そのゴルファーにとって理想的な総ヤーデージ』だと発表しています。これを参考にすると良いでしょう」と兼濱は言う。
「もし今100切りを目指しているコースがあるなら、計測器で自分の飛距離データを取ったうえで、上記の式に当てはめて適正な距離のコースなのかを確かめてみてください。もちろん距離が長かったら諦めよう、という話でもありませんよ。例えば自分の適性総ヤーデージが6000ヤードで、100切りを達成したいコースが6500ヤードだったとしましょう。このオーバーしてしまった500ヤードぶんを『何でカバーするのか』を考えることが大切です。得意なアプローチの距離を残して打数を抑えるのか、フェアウェイウッドの精度を上げたほうがいいのか……。何でカバーするのかを考えれば、それはマネジメントや日々の練習にも活きてきますよ」
協力/学芸大ゴルフスタジオ