愛媛県松山市出身、松山聖陵高校、日本体育大学を経て共にプロゴルファーとなった河本結・力。昨シーズンは思うような結果が出ず苦しんだが、すでに新シーズンに向けて動き出している2人。2024年3月26日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、仲良し姉弟がゴルフへのアツい思いを語った対談を掲載している。その一部をみんゴルでも紹介しよう。

プロフィール

  

河本結(かわもとゆい)

1998年生まれ。 RICOH所属。
5歳でゴルフを始め18年プロ入り。
19年に初優勝を挙げ、翌年米ツアー挑戦。
21年から主戦場を再び国内へ。
昨年のQTで4位に入り、今季の活躍が期待される。

画像: 河本結「とにかく全力でプレーしたい」

河本結「とにかく全力でプレーしたい」

画像: 河本力「楽しむ準備はできている」

河本力「楽しむ準備はできている」

  

河本力(かわもとりき)

2000年生まれ。大和証券所属。
7歳でゴルフを始め21年プロ入り。
22年は2勝を挙げる。
昨年は賞金ランク44位に終わるもドライビングディスタンスは歴代最高の322.58Y で2年連続トップ。

“努力型”の姉・河本結と“才能型”の弟・河本力

画像: 3年差でプロ入りした河本結・力姉弟

3年差でプロ入りした河本結・力姉弟

昨シーズンはどのような年でしたか?

 開幕をすごくいい状態で迎えて、絶対にトップ10に入れるはずだと思っていたのが30位だったのでガクッときて。2試合目の関西オープンでは最終日最終組で絶対に優勝できると思っていたのにショットの凡ミスが出たりして。周りには「よかったね」と言われても自分のなかでは優勝できなかったことに対してのストレスが半端なくて。そこからどんどんおかしくなって、中日クラウンズでは予選は通ったけど最終日にプチンと切れて80くらい打って最下位。ここでもう狂いました。

 本人にも言っているんですけど、力は昨シーズン、パターで苦しんだ部分があった。賞金王を取りたい思いでアドバイスも得て頑張ったけど、自分の感覚が消えるのもよくないし。でも力の努力は間近で見ていたし、昨年の成績はそんなに悲観することではないと思います。

 序盤で狂って夏場戻ってきたと思ったら、初優勝したKBCオーガスタで熱中症になってきつかった。そこからはまったく……、完全にメンタルだと思います。技術面は確かにパターですね。パターが上手くいかなくてアプローチにも影響が出て。

画像: 夏頃からメンタルトレーニングもしているという。

夏頃からメンタルトレーニングもしているという。

僕、大学3、4年からルーキーのときは、アプローチで生きていたんです。曲がるから(笑)。でもプロデビューしてドライバーでフェードを覚えて安定した。

飛んである程度の幅に入るようになったので次はパッティングだと。ゴルフってやることが多すぎるから仕方ないですよね。

一昨年は前半戦レギュラーに出られないなかで2勝して、昨年は全試合出られるから最低限賞金王にならないと、と自分にプレッシャーをかけすぎて自滅したんです。楽しもうというよりは結果を出そうとしすぎた。それに、(中島)啓太は可愛い後輩ですけど、彼と自分を比べてしまうこともあった。それも自滅の原因の1つかな。

 でも、トレーニングの方法なんかもいろいろ変えてよかったし、思うようにいかないシーズンも必要だと思っているので。苦しい時期がないと経験を積めないから。私もいろいろなことを経験してアドバイスもできるようになった。苦しいなかシードは取れているので、姉としてはよく頑張ったなあと思いました。私はシードを落としていたので、やっぱりすごく苦しいしきつかった。

 結も本当に練習もしていましたし、同じですよ。頑張りすぎなくらい頑張っていた。でも結果がすべての世界で生きているので。それでも先のことを見据えて変化していっていることはすごいと僕にも伝わりました。

 メンタルトレーニングを始めて変わったよね。瞑想を取り入れたトレーニングなんですよ。

 そうだね。

 勢いがあるときって、何も問題ないんです。でも怖さを知ったり、プレッシャーを感じて不安になると、脳は”マイナス“を覚えるから、それを書き替えないといけない。物事に対しての思考などに関して脳もトレーニングしないといけません。たとえば赤いりんごを思い浮かべてくださいと言われたら、きちんとクリアに頭のなかにあるくらいにならないと、自分の思う球も描けないしイメージできない。そういうことから始めるんです。
練習はすごくしているけどやる気がない、元気がない、楽しくない。でもゴルフしないと不安というメンタル状態でやっていた。約1年かけてモチベーションを上げてきました。自分に集中できるようになり人からの評価はどうでもよくなり、それで徐々に調子もよくなってきた感じです。

画像: 2人にとって今も大事な存在である日体大の後輩たちと。

2人にとって今も大事な存在である日体大の後輩たちと。

 僕も夏くらいからメンタルトレーニングをしています。少しずつ変わっていることに気づけているくらいなので、たぶんすごく変わっているのかな。パターが入らないと、ショットがピン1mに付いてもそこから3パットになったりして……。

 もっと近くに付けたいとなる。

 それで頑張りすぎて焦ったりするんですね。後半を過ぎて自分でも心が崩れ始めたことに気づいて。怒ってはいないのに怒りがすごく出てきたり。それがメントレをすることで収まってきました。

 怒らなくなったよね。簡単に言うと、自分のご機嫌は自分で作るという話なんですよ。

 それができないと、やっぱり人と比べるもんね。

 それにしても私たちゴルフの話はめっちゃしてるよね。

 だって、ゴルフは僕らの人生なんで。一緒に住んではいませんけどご飯はよく食べに行きます。

 前は近所の焼肉屋さんにもよく行っていたけれど、力の健康も考えて(笑)。力の自宅で3人集合して母が野菜や魚中心に作ってくれた料理を食べたりしています。

 結に新しいトレーニング法なんかもすごく教えてもらったり。

 実は私は今、トレーナーさんが3人いるんですよ。自分のなかの一番弱いところって「私」がなかったこと。誰かが言ったからこうする、というようなところがあった。でもステップ・アップ・ツアーに行って、ハウスキャディさんにお願いすることも多いなか、私って自分で考えてゴルフしたいんだなって気づいた。

画像: 「自分で考えてゴルフを組み立てるようになった」

「自分で考えてゴルフを組み立てるようになった」

自分でゴルフの組み立てをしていいものをチョイスしよう、そしてスウィングも考えようと。そうすると自分で情報をしっかり得て自分の頭でかみ砕けるようになった。トレーナーさんも、私がこうしたいと言うと、3人それぞれのアプローチがある。そのなかから自分でいいものを選んでいます。

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1学年差でともにツアープロという河本姉弟。それぞれが相手を尊敬しあっている様子が伺えた。2人にとっての互いの存在や今後の目標について語ったパートは、2024年3月26日号の「週刊ゴルフダイジェスト」とMyゴルフダイジェストにて掲載中!

PHOTO/Shinji Osawa
THANKS/PGMゴルフリゾート沖縄

※週刊ゴルフダイジェスト2024年3月26日号「ツアープロ姉弟対談 河本結×河本力」より一部抜粋

※2024年3月12日15時13分、一部加筆修正いたしました。

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