PGAツアーのフラッグシップトーナメント、プレーヤーズ選手権がフロリダ州のTPCソーグラスで現地時間14日に開幕する。第5のメジャーでありツアー最高の賞金総額2500万ドル(約37億円)を誇るビッグイベント。大会直前の会場を覗いてみると飛び抜けて人気者の選手がいた。15年のチャンピオン、リッキー・ファウラーである。いまさらではあるがファウラー人気の秘密をおさらいしてみた。

練習日から大勢のギャラリーが詰めかけた会場でサインハンターのお目当てのひとりは“ユタカ”のミドルネームを持つリッキー・ファウラーだ。PGAツアーのカメラはそこで面白いシーンをとらえX(旧ツイッター)に投稿した。

Twitter: @PGATOUR tweet

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眩しい日差しに目を閉じファウラーにおでこを突き出す少年。するとファウラーは彼のおでこにペンを走らせサイン。隣にいた少女も同じようにサインをせがみ彼女のおでこにもサイン。

喜ぶ子どもたちに「まるでアート作品のようですね。この子たちはもう2度とおでこを洗うことができませんね(笑)」と実況アナウンサーが興奮気味にまくしたてた。

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ここ数年スランプに陥っていたファウラーの世界ランクは1年半前には180位台まで落ち込んでいた。しかし昨シーズン復活し全米オープンでメジャー史上最少スコアの62をマーク。最終日に崩れ5位に終わったが2カ月後のロケットモルゲージクラシックで4年ぶりに優勝。愛娘マヤちゃんを抱いて「彼女にもっと優勝する姿を見せたい」と歓喜した。

画像: 2009年にプロ入りし、PGAツアー通算6勝を挙げているリッキー・ファウラー(写真は2024年のAT&Tペブルビーチプロアマ 撮影/Blue Sky Photos)

2009年にプロ入りし、PGAツアー通算6勝を挙げているリッキー・ファウラー(写真は2024年のAT&Tペブルビーチプロアマ 撮影/Blue Sky Photos)

アマチュア世界ナンバー1のタイトルを提げ09年にプロデビューするといきなり優勝争いに加わった。大学のチームカラー、オレンジの上下を颯爽と着こなす長髪の青年に多くの人が魅了された。

会場にはオレンジの上下を着たリッキーマニアが殺到。ゴルフ場で女性ファンから黄色い声援が飛ぶ唯一のプレーヤーになった。

11年にはバッバ・ワトソン、ベン・クレイン、ハンター・メイハンと『ゴルフボーイズ』を結成。アーティスト(?)デビューを飾ったファウラーはスポンサーから引っ張りだこで様々なCMに起用された。

初優勝はデビューから4年後。人気先行といわれたが15年のプレーヤーズ選手権で準メジャーに勝ち押しも押されぬトッププレーヤーの仲間入りを果たしツアー通算6勝を挙げている。

タイガー・ウッズやジャスティン・トーマスが居を構えるジュピター(フロリダ)で彼らの近所に住むファウラー。庭には当然のようにアプローチ練習ができるスペースがあるが、すごいのはエントランス。

門をくぐり敷地に入ると左右に大きな木が等間隔に並び小径を作っているのだが、それがマスターズの舞台オーガスタナショナルのエントランス、通称『マグノリアレーン』にそっくりなのだ。それだけマスターズには思い入れがあるのだろう。

14年には4つのメジャーすべてでトップ5入りし、いつメジャーに勝ってもおかしくないといわれながら未だメジャー勝利はない。18年のマスターズで単独2位、19年にも9位タイに入っているが勝利の女神は微笑んでくれていない。

若手のホープといわれたファウラーも35歳。そろそろ彼がメジャーでトロフィーを掲げる姿が見たい。

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