トーマスは10代の頃、父・マイクさんがヘッドプロを務めるハーモニーランディングCCでキャディのアルバイトをしていた。初めての車を買う資金を貯めるのが目的で出来るだけ多くのシフトに入ろうと頑張っていた。そんな普通の少年はある日そこでバスケットの神様マイケル・ジョーダンと遭遇するのだ。
ケンタッキーダービーのために同地を訪れていたジョーダンは同僚にリンクスっぽいコースでプレーしたいがどこかいいところはないか? と尋ねたのだとか。すると同僚はハーモニーランディングCCを推奨。実際ジョーダンが来場したのだ。
成り行きで父(マイクさん)とジョーダンが一緒にプレーすることになり、アルバイトのトーマスがキャディを務めた。
同級生にその状況を説明しても「嘘だろ」と笑いものにされるだけでなくホラ吹き呼ばわりされたかもしれない。賢明なことにトーマスはジョーダンとのエピソードを胸の中にしまっていた。
ジョーダンと父がラウンドしトーマスがキャディをする年に1度の恒例行事は3年続いた。そして最後の年、バッグ9に入るタイミングでジョーダンから(自分の)キャディバッグを取りに行くよう指示された。
ジョーダンと一緒にプレーすると思うと緊張して震えた。有名なドキュメンタリー『ラストダンス』でジョーダンがチームメイトにどれほど厳しい態度を取るかを知っていたことも緊張に拍車をかけた。
幾らかのお金を賭けた真剣勝負。「最後の7ホールで4つのバーディを奪ったんだ」とトーマス。「そのとき貰ったお金が最初の車を買うのに役立ってくれた(笑)」。
今ではお互いをMJ、JTと呼び合う間柄。将来何者になるかもわからなかった少年が今やゴルフ界の第一線を走っている。
面識のない昨年の全米オープンチャンピオン、マシュー・フィッツパトリックにもおめでとうのメッセージを贈るほどゴルフ好きのジョーダン。今後もMJ、JTの関係は続く。