大切にしているのはアドレスとテークバック
私はゴルフを始めて45年にもなります。その間、スウィング論について「○○打法」や「○○メソッド」など、実に様々な理論が流行ったり、また廃れていくのを目にしてきました。
でも私がジュニア時代に学んでから今まで、変わらずに大切にしてきた、言ってみれば「基本の基本」みたいなものがあります。
今回はそんなことをお話ししていきたいと思います。
ジュニアの頃、よく言われたのは、「全てはアドレスで決まる」「スウィングはテークバックの結果である」ということでした。
間違ったアドレスからはナイスショットは生まれないし、テークバックが間違っていれば、スウィングも正しい軌道を描くことは出来ず、途中で修正しようとしてもロクなショットにはならない。
と、教えられ、きちんとしたアドレスからしっかり身体を捻ったテークバックを取るように指導されました。
また、しっかりカラダを捻ることが出来れば、あとはその反動で正しいスウィング軌道が描ける。つまりトップから意図的にスウィングをコントロールするのではなく、「引き絞った弓を解き放つようにすれば、自ずとスウィングの軌道は決まってくる」ということを繰り返し指摘されました。
スウィングに迷いが出た時や、ラウンド中、プレッシャーのかかるショットに臨む時、これを思い出すことで、何度も救われた経験があります。
実際のラウンドでは、自分の思い描くショットや、ボールのイメージを意識すると、どうしてもクラブをどこに振り抜いていくか、ということにとらわれてアドレスやテークバックが疎かになりがちです。
クラブを振り上げてから、どこに振り下ろすのかを考えるのではなく、そこに振るためにはどんなアドレスをしてどんなテークバックをしていくのか。さらに、弓を引き絞るようにしっかり身体を使ったテークバックをする。
当たり前のようですが、これを疎かにしていては力強く、安定したスウィングを作ることは出来ない。これは自分にとって45年間不変の「金科玉条」になっています。
弓を引き絞るイメージはハーフショットやコントロールショットでも役に立ちました。たとえばウエッジで60ヤードとか80ヤードと言った中途半端な距離を打つ時、スウィング途中で、「手加減」するようなイメージでは上手くいきません。
コンパクトでもしっかりとテークバックを取り、その反動で打ち抜いていく。どんなに小さなスウィングでも、テークバックでしっかり腰や肩を捻転させてそこで作ったテンションを解放させていくことでスウィングしていくのです。
また、この意識を持っていると、トップで切り返すタイミングが安定してくることにも、気付きました。引き絞った弓をただ解き放つだけというイメージですから、いわゆる「打ち急ぎ」や、「スウィングの途中で左のOBを嫌がって腰が引けた」などというスウィングの乱れも起きにくくなります。
45年間変わらない基本のキ。少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。