レギュラーツアーでの活躍を目指す若手が多いステップ・アップ・ツアーの会場で、ひと際落ち着いた雰囲気を醸し出していた成田(撮影/岡沢裕行)
「目標は早期レギュラーツアー復帰です」(成田)
2012年のルーキーシーズンに富士通レディースで優勝してから積み上げた勝利数は13勝。押しも押されもせぬトッププロの成田美寿々だが、コロナ禍で統合された20-21年シーズンは腰の怪我から来る大不振により、優勝はおろか、賞金ランキングで102位に沈む。明けた22年シーズンも復調の兆しが見えず、8月から自身初となるステップ・アップ・ツアーへ。それでも状態の回復が見込めず、22年11月に無期限の休養を発表。23年はホステスプロとして「リシャール・ミル ヨネックスレディス」に出場したのみ。そして23年ファーストQTにエントリーしたことで、24年の本格復帰を表明した。しかし、裾野カンツリー倶楽部で実施されたファーストQT(B地区)の結果は、ファイナルQT進出に4打足りない、11オーバーでフィニッシュ。QTランクは136位で今季はステップ・アップ・ツアーが主戦場になる。
「ステップ・アップ・ツアーは22年の夏から8試合出場しています。夏からなので、その年の初戦にも出ていないので、このコースは14年の日本女子オープン以来です。とはいえ、10年前なのでほぼ覚えていなくて、練習ラウンドで回って、数ホール『あー、ここは右に行っちゃダメなところだ』とか思い出しながらラウンドしていました」。
ステップ・アップ・ツアーに出場するにあたり目標を聞くと、「試合勘ということもあるので、はやめにステップで1勝をしたいというのが目下の目標です。ただステップ・アップ・ツアーの賞金女王を目指すのかといわれると、どちらかといえばそうではなく、推薦いただけるレギュラーツアーの試合で活躍してリランキングでレギュラーツアー復帰というのが今シーズンの目標になります」。
その目標に向けて、取り組んできたことを聞くと「良かった時期はドライバーだけでなく、アイアンもシャローに入ってきていたのですが、力みで上から入ってくることが多かったんです。そこで、レベルブローというか、入射角がシャローに入ってくるような練習をずっとしていました」という。良かった時の状態を100%とするといまは30%といい、その理由は「この会場に着くまでは自分ではもっといい状態だと思っていたのですが、いざ、会場入りして練習ラウンドをすると何かふわふわする自分がいて。試合勘というわけではないんでしょうけど、慣れるまでに数試合はかかるのかなって思っています。なので、まずは最終日までの3日間、しっかり完走したいと思います」と語った。
もともと理路整然と話をするタイプで、取材対応が上手い印象だったが、その頃に比べると表情も口調も柔らかくなったイメージがある。約1年半の休養を経て、トッププロとして活躍してきた成田の復活劇が幕を開ける!?
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なお、今週注目の成田が「大好き」と話す人気連載「オーイ! とんぼ」の技に挑戦している模様が、いま発売中の「週刊ゴルフダイジェスト」2024年4月16日号の巻頭カラーページで掲載中。成田の順位とともにこちらの記事にも注目してほしい。
今週号を持つ成田美寿々。「対談ラウンドありがとうございました! 私の周りでは評判よかったし楽しかったです」と話してくれた(撮影/岡沢裕行)
