「6年前に初出場したときは右も左もわからなくてものすごく緊張した。大勢のギャラリーに囲まれ、よくティーを刺せないほど緊張するというけれどまさにそれだった。ボールを落としそうになった(苦笑)」とニーマンは振り返った。
10代で出場したマスターズ自体も思い出深いがラテンアメリカアマに勝った後に起こった出来事はいまでも忘れられないという。
「優勝してクラブハウスに戻るとなんとそこにジャック・ニクラスがいて僕を待っててくれたんだ。おめでとう、と祝福してくれて僕の目の前に1つの箱を差し出した」
「開けるとそこにはロレックスの時計が入っていた。そしてジャックはこういったんだ。君の人生の最初の時計をプレゼントするよ、ってね」
「ジャックが目の前にいるだけでも異常事態なのに高価な時計をプレゼントしてくれたなんて、自分の身に何が起こっているのかよくわからないほど混乱したよ(笑)」
その後、PGAツアーで2勝を挙げ将来を嘱望される若手スター候補のひとりだった彼は22年の8月突然LIVゴルフへの移籍を発表した。
そして今年メキシコで行われたLIVの開幕戦(マヤコバ招待)最終日に12アンダー59をマーク。セルヒオ・ガルシアとのプレーオフ4ホール目で先輩を撃破し、ジュダ招待(サウジアラビア)でも勝利を挙げマスターズ委員会から招待状を受け取った。
「目標はメジャーに勝つこと」という彼だがLIV勢が今後どのメジャーに出られるかわからない。それだけに「(今回の招待は)本当にうれしい」とメジャー制覇のチャンス到来に喜びを隠せない。
これまで4度出たマスターズでは23年の16位タイが最高。好調な今年は一気にグリーンジャケットを狙うつもりだ。「僕の幸運を祈って下さい」と笑う彼はとてもチャーミングだった。