阿部未悠と佐久間朱莉選手の初優勝を目指す二人の劇的なデッドヒートから阿部選手が初優勝を飾った「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」から熊本県に舞台を移し、「KKT杯バンテリンレディスオープン」の会場に来ています。
同い年の佐久間朱莉選手の優勝争いに刺激を受けまくった桑木志帆選手は、ツアー5勝の青木瀬令奈選手と9ホールの練習ラウンドを共にしました。一体どんな学びがあったのでしょうか。
青木選手の練習ラウンドは少し変わっています。一般的な練習ラウンドは、打っていく方向や距離、打ち上げや打ち下ろしの距離感、パー3の番手選び、グリーン周りやグリーン上のチェックが主な内容です。
そもそも青木選手の場合は、「練習ラウンドと本番では同じ番手でも飛距離が変わるので、それを踏まえて自分なりの正解を探す」といいます。「その週の自分のゴルフの状態を考慮して、どんな初日を迎えるべきか。例えば金曜日の初日から逆算して木曜日、水曜日の練習ラウンドはどんなことを意識してやるべきか」という徹底して“万全な初日を迎える準備”に時間を割いています。
青木選手はドロー、フェードを状況によって打ち分けますが、前週のショット内容を振り返りつかまりが悪ければ練習ラウンドではドローの球筋を多用し、本番初日からはフェードを多用することもあるそうです。本番初日を想定し、ショットの調整することこそ練習日のテーマにしていると青木選手。
それを聞いて桑木選手は「瀬令奈さんの頭の中を覗くことがことができてすごく勉強になりました。今までの私は考えてなかったんだな」と多くの学びを得たようです。
「練習ラウンドでも良いショットを打って仕上げて行こうとしていました。練習ラウンドは本番のためにやるものだし、必ずしもナイスショットする必要はないな、と思えました。事前に(バーディを)獲れるホールと獲れないホールを頭の中で予習して考えて、幾つバーディが獲れるかを想定し、本番でそのスコアに近づけるようゲームを組み立てることを教わりました」(桑木)
青木選手は「自分で考えることが大切です。飛距離やプレースタイルは人それぞれですし、その週のゴルフの状態も変わります。その上で今週このコースでプレーする自分なりの正解を見つけられれば」と話し、桑木選手もその考え方に感銘を受けたようです。
先週は仲良しの佐久間朱莉選手の優勝争いに刺激を受け、今週は青木選手からの学びを得た桑木選手のゴルフがどう変化するか、引き続き注目していきましょう。
写真/中村修