「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけてきたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はウェッジをキャビティにするメリットとデメリットについて解説してもらった。
画像: キャビティのウェッジはどんなメリットがある?(写真はイメージ)

キャビティのウェッジはどんなメリットがある?(写真はイメージ)

ウェッジのコンボもありだ

みんゴル取材班(以下、み):クリーブランドの新モデル「CVX2ジップコアウェッジ」はキャビティ部分の拡大による寛容性の向上をウリにしていますが、ウェッジをキャビティにするとアプローチはやさしくなるのでしょうか?

宮城:やさしくなるか、ならないかはロフト角によります。50度以下のウェッジならほぼアイアンなのでキャビティ効果はあります。多少芯を外しても振った分だけ飛んでくれますから。

み:ロフトが寝てくると違ってくるわけですか。

宮城:とんでもなく先のほうにしか当たらないとか、上下の打点がバラバラとか、それくらいのレベルなら56度もキャビティでいいと思います。でもある程度の技術がある人にはノーキャビティをおすすめします。なぜなら、出球の高さを変えたり、スピンショットを打ったり、チップショットで転がりをコントロールしたりといった操作がやりにくいからです。

み:キャビティが操作しづらいのはどうしてですか。

宮城:ウェッジのコントロールショットはわざと芯を外しながら打つのが基本だからです。キャビティで芯が広くなると、自分で芯を外したつもりでもボールが飛んでいってしまいます。キャビティでポーンと打って、ただ乗せているだけでは技術がなかなか向上しません。

み:では、50度以下をキャビティ、52度以上をノーキャビティにするのはありですか。

宮城:大いにありです。グリーン周りで使う56度や58度はフルショットの精度が多少落ちても、ノーキャビティでコントロール性能を上げるのが、正しい考え方だと思います。ほとんどフルショットでしか使わないなら50度以下はキャビティでかまいません。ウェッジでキャビティを採用するのは芯を広くするためだけでなく、ヘッドを大きくしたりソールを広くしたりできるからです。とくにラージサイズのアイアンを使っている人は、メーカーも同じにするなどアイアンの流れに合わせることで、アイアンから持ち替えたときに、ヘッドがいきなり小さくなる違和感を解消することもできます。

み:ウェッジのコンボですね。試してみます。

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