昨年のメルセデスランクは54位。第1回リランキングまで出場できる、いわゆる準シード選手の柏原明日架。今季すでに2度トップ5に入っているが、予選落ちも2回、一進一退のプレーが続く。現在のセッティングにはドライバーを入れてウッド系が6本、その詳細と工夫を見ていった。
画像: かしわばら・あすか。1996年1月生まれ。宮崎県出身。日章学園高等学校卒業後、2014年プロ入り。2015~2021年まで6シーズン連続でシード選手として活躍。通算2勝。シード復帰を目指す

かしわばら・あすか。1996年1月生まれ。宮崎県出身。日章学園高等学校卒業後、2014年プロ入り。2015~2021年まで6シーズン連続でシード選手として活躍。通算2勝。シード復帰を目指す

キャロウェイ担当者に、まずは今季投入したAi スモーク MAX FASTの6Uから聞いていった。

画像: パラダイム Aiスモーク MAX FAST。ロフトは27度。シャフトはディアマナPROTOTYPEでフレックス部分にはASUKAと入る。ディアマナ サンプを少し軽量にして振り心地を柏原の好みに合わせたプロト

パラダイム Aiスモーク MAX FAST。ロフトは27度。シャフトはディアマナPROTOTYPEでフレックス部分にはASUKAと入る。ディアマナ サンプを少し軽量にして振り心地を柏原の好みに合わせたプロト

「柏原プロが6Uに求めるのは、6番アイアンと同等のパフォーマンス(高弾道・スピン量・キャリーなど)であり、このMAX FAST UTは、『アイアンのようにホーゼルがしっかり見える形状で構えやすく、ボールを拾ってくれるイメージがあります』(柏原)と好印象を持ち、実際に打つと打感がソフトなことと操作性の高さも気に入って投入が決まりました」

画像: パラダイム Aiスモーク ♦♦♦Tの5W。3Wも同モデル。5Wのシャフトはディアマナ TB

パラダイム Aiスモーク ♦♦♦Tの5W。3Wも同モデル。5Wのシャフトはディアマナ TB

7Wと11Wは2018年モデルのローグ。3Wと5WはAi スモーク ♦♦♦Tで、この2本も今季から。「基本的にコンパクトに見えるヘッドが好みで、それに合致したのが第一。3Wは地面からボールを拾いやすく強いボールが打てる点。5Wはこれまで入れずに3WのHLモデルを使っていましたが、Ai スモーク ♦♦♦Tの5Wを打つと、弾道が高くキャリーも伸びたためスイッチ。2本とも打感の良さも気に入っているようです」(同担当)。ヘッド形状の安心感、弾道の高さ、ボールの拾いやすさを重視して選ぶ点は、アマチュアのウッド選びの参考になりそうだ。

画像: ドライバーはパラダイム ♦♦♦+。昨年6月のアース・モンダミンカップから使用する。シャフトはディアマナ カイリ

ドライバーはパラダイム ♦♦♦+。昨年6月のアース・モンダミンカップから使用する。シャフトはディアマナ カイリ

ドライバーは昨季から継続のパラダイム ♦♦♦+。元々は同じモデルの♦♦♦を使っていたが、ソール前方にウェイトのない♦♦♦+を試すと、つかまり感があって振りやすく、即投入を決めたという。

画像: ニュークラブの3Wと昨年から継続の7W。3Wはトータル230ヤード、7Wは200ヤードが飛距離の目安

ニュークラブの3Wと昨年から継続の7W。3Wはトータル230ヤード、7Wは200ヤードが飛距離の目安

ウッド系のシャフトは6本中4本がディアマナ カイリ、5Wはディアマナ TBで、どちらも「青マナ」からの正統進化モデル。「確か、プロ入り前から使っていたはず。他のシャフトを使ったこともありますが、カイリ特有のハリのある弾き感を気に入って長く使っています」(同担当)

画像: 本格志向とやさしさを両立させたRM21を原形に、プロ用に削ったウェッジが、このRMW3。56 度はソールのヒール部分の後ろ側を大きく削り落としている。シャフトはN.S.プロ850GH neo

本格志向とやさしさを両立させたRM21を原形に、プロ用に削ったウェッジが、このRMW3。56 度はソールのヒール部分の後ろ側を大きく削り落としている。シャフトはN.S.プロ850GH neo

ウェッジは、今季からフォーティーン。「同郷(宮崎県)で柏原プロと仲のいい山内日菜子プロがジュニア時代にフォーティーンを使っていた縁があり、山内プロのお父さんを通して声が掛かりました。この3本はRM21のプロ用デザインでRMW3といいます。48度と52度は抜けを重視した大きめバウンスモデルで、56度も大バウンス(12度)ですがヒールを削り落としてフェースを開いて使いやすくしています。今年の1月からの使用です」(フォーティーン担当者)

画像: 打感と転がりのイメージが合うこと、5K特有の高慣性モーメントの安定感をも気に入って開幕戦から使用。TRI-HOT 5K プロト

打感と転がりのイメージが合うこと、5K特有の高慣性モーメントの安定感をも気に入って開幕戦から使用。TRI-HOT 5K プロト

パターは、TRI-HOT 5K ROSSIEで、これも開幕戦からの使用。市販モデルとは違うマイクロヒンジ インサートが入っているプロトタイプ。グリップはスーパーストローク。ボールもクロムソフトXから、ニューモデルのクロムツアーXへスイッチ。ショートゲームでのスピンコントール性能の高さを評価しているという。

画像: クロム ツアーXのボール。六角形と円形を組み合わせたカバーパターンが特徴

クロム ツアーXのボール。六角形と円形を組み合わせたカバーパターンが特徴

女子ツアーで増えている“6本木”セッティング
1W/パラダイム ♦♦♦+(9度)・ディアマナ カイリ60(S)
3W/パラダイム Ai スモーク ♦♦♦T(14度)・ディアマナ カイリ60(S)
5W/パラダイム Ai スモーク ♦♦♦T(18度)・ディアマナ TB70(S)
7W/ローグ 2018年モデル(21度)・ディアマナ カイリ70(S)
11W/ローグ 2018年モデル(26度)・ディアマナ カイリ80(S)
6U/パラダイム Ai スモーク MAX FAST(27度)・ディアマナPROTOTYPE
7I~PW/ Xフォージド スター(2018年モデル)・N.S.プロ 850GH neo(S)
GW・AW・SW/フォーティーン RMW 3(48・52・56度)・N.S.プロ 850GH neo(S)
PT/オデッセイ TRI-HOT 5K ROSSIE プロト(3度)
BALL/クロム ツアーX
※スペックは編集部調べ ※スペックとスタッツは4月17日時点のもの

先述の6本に新パターを加えた7本を新しくしたセッティングで、現在のメルセデスランクは17位(4月17日時点)。第1回リランキングは6月のニチレイレディス終了時だ。

画像: 近々、ドライバーと3Wに入れる予定の新作ディアマナ プロトシャフト。早ければフジサンケイレディスから切り替えるかもしれない

近々、ドライバーと3Wに入れる予定の新作ディアマナ プロトシャフト。早ければフジサンケイレディスから切り替えるかもしれない

【追記】4月17日時点では上記の通りだが、ドライバーと3Wに関して、今後、ディアマナの新作と思われるPROTOTYPEのシャフトに切り替える可能性が大。黒いコスメ(写真)が特徴で、柏原のテストでは、ドライバーのボール初速が1m/s上がっているとのこと。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara)

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