脇元華は、2018年に3度目のプロテストに合格した26歳。23シーズンは惜しくもポイントランク57位で終えたが、ファイナルQTではランク7位を獲得し、24シーズンを戦っている。スタッツを見ると昨年のパーオンホールの平均パット数は58位、1ラウンド当たりの平均パットも70位から今季はそれぞれ11位、29位と大幅に改善されている。
2週前の「KKT杯バンテリンレディスオープン」では5位タイで終えるなど暫定リランキングでは6位につけ、第1回のリランキングをクリアする成績を残す脇元がお気に入りの1本に挙げたのは、ゲームの要になっているというウェッジ「フォーティーン RM22」。そのお気に入りのポイントを聞いてみた。
「プロ入りから同じモデルを使い続けていて、顔が良くてスピンも入るし、いろいろな球が打ちやすいんです」(脇元華)
フォーティーンは世界的に著名なクラブ設計家である故・竹林隆光氏が1981年に立ち上げた会社で、角溝規制が入る前に一世を風靡した「MT-28」が特に有名なメーカー。そして、角溝の効果だけでなく高いスピン性能を作り出すネックの長さや重心位置、バウンス形状など他社のデザインにも影響を与えたといわれている。
脇元が使用するのはロフト角58度でバウンス角は12度と比較的バウンス角のあるモデルだが、ソールのトウからヒールにかけてバウンスの幅が少なくなる形状のため、フェースを開いてもリーディングエッジが浮きにくく球を上げるショットも打ちやすいようだ。
長くても3カ月に一度はウェッジを入れ替えるというフェース面の傷を見てみると、かなりの練習量を積んでいることが見て取れる。
この取材をした「KKT杯バンテリンレディスオープン」では、グリーンに着弾しても奥へと外れてしまうくらいの硬く速いグリーンへのアプローチで、ボールがフェースに乗りソフトに打ち出されたボールはカップそばにピタリと止まるシーンが印象的だった。
「グリーンを外してもパーで切り抜けることで、ゲームの流れを切らさずに次のホールへと前向きに進むことができます。いつも自分のゴルフを助けてくれる大事な1本です」
今季のリカバリー率は22位とまずまずのスタッツを記録している。初優勝を目指す脇元華のグリーン周りからのアプローチにも注目してみよう。
写真/中村修