リ・ハナは韓国出身の22歳。21年6月のプロテストに合格すると、20‐21シーズンのステップアップツアーで3勝を挙げ賞金女王を獲得。その後、22年はポイントランク54位で終えると23年にはリランキングをクリアしながら「樋口久子 三菱電機レディス」で山下美夢有、仁井優花とのプレーオフを制し初優勝を飾った。
21年6月のプロテスト合格者を見ると、岩井明愛、千怜姉妹、佐久間朱莉、内田琴子、後藤未有、小倉彩愛、阿部未悠、桑木志帆、上野奈々子といったレギュラーツアーで活躍する選手が多い93期生。
熾烈なプロテストを通過した実力を発揮しステップアップツアーの賞金女王からレギュラーツアーでも初優勝を飾ったリ・ハナがお気に入りの一本に挙げたのはドライバー。ヘッドはキャロウェイ「パラダイム♦♦♦S」の9度にUSTマミヤ「リンク ブルーEX」50g台のSフレックスを46インチで組み上げた長尺ドライバーだ。
「フェアウェイをキープすればピンを狙って行けますから、私のゴルフを支えてくれる大事な一本です」(リ・ハナ、以下同)
ヘッドは小ぶりな「パラダイム♦♦♦S」の9度とハードヒッターが好むモデルだが、実は優勝する前週にシャフトをUSTマミヤ「リンク ブルーEX」に変更し、飛距離と方向性を向上させたことで優勝につながったという。
リ・ハナのスタッツを見てみると23年のFWキープ率7位、今季は3位につける正確無比なドライバーが特徴。「樋口久子 三菱レディス」では山下美夢有、仁井優花との三つ巴となったプレーオフで、18番パー5でFWをキープすると一人だけ2オンに成功し2パットのバーディで勝利を手にしていた。
「プレーオフはとても緊張しましたが、いつも通りにクラブを信じて振り切れました。あのティーショットの感覚が今でも残っているので、狭いホールや風があっても信じて振ることができています。46インチと長さはありますが振りやすくて飛距離も出てくれるので、あれからずっと使い続けています」
プレーオフでは2オンした2打目に注目されがちだが、「ティーショットをFWに置けたからこそ2オンからのバーディへとつながった」と信頼するドライバーがリ・ハナのゴルフを支えているようだ。
今季は昨年に比べるとアイアンショットとパットの調子が上がって来ていないが、練習場でしっかりと取り組む姿をよく目にしている。近い将来このドライバーを武器に上位で戦う姿が見られることだろう。
写真/中村修