優勝した天本ハルカ選手は66でプレーし、トーナメントレコードの12アンダーを大きく上回る19アンダーに更新しました。上位陣も軒並み65~68でプレーし、稀にみる伸ばし合いの展開のなかで最後まで積極的にピンを攻める多くの選手のプレーが見られました。
天本選手は前半の8番から5連続バーディを奪って一気に19アンダーへとスコアを伸ばし、後続に4打差をつける独走態勢かと思われました。初日にコースレコードを記録した蛭田みな美選手が後半に5つのバーディを奪う猛攻を見せると、岩井千怜、尾関彩美悠選手もスコアを伸ばし13番でボギーとした天本選手に1打差まで追いすがります。しかし17番パー5でバーディを奪った天本選手は2打のリードを持ってツアー唯一の最終ホールがパー3となった18番へと向かいます。
実測185ヤードの18番パー3ではグリーン右のバンカーに外しましたが、ピン右横2.5メートルのパーパットを見事に沈めガッツポーズ! 初優勝を手にしました。
今季の天本選手は開幕から4位タイ、7位タイ、5位タイと好スタートを切り、その後も安定した成績を残し予選落ちもなくポイントランク6位に位置していました。スタッツを見てもパーオン率1位、パーセーブ率3位、平均バーディ数4位、平均ストローク5位(4月28日現在)とショット、パットともに安定していましたので初優勝に最も近い一人とプレスルームでは何度も話題に上っていました。
開幕戦で上位進出した際に「遅くなっていたプレーのペースを改善してきたことで考えすぎなくなってテンポよく回れるようになった」と聞いていました。プレッシャーのかかる最終日最終組でもそのテンポは変わらずにシンプルに考えてプレーした結果、伸ばし合いの中でも攻めるプレーができたと優勝会見で話してくれました。
ジュニア時代に練習していたザ・クラシックGCは文武両道をモットーとするコースで通信簿をコースに提出していたといいます。ゴルフ脳という言葉があるくらいゴルフも考える力が大切なのは言うまでもありませんが、天本選手はどんなショットが打ちたいのか、そのためのスウィングや練習方法など指導を受ける伊澤利光プロに教わりながらも自分で考えて取り組んで来たといいます。そういった考える力がスタッツの好成績や初優勝につながったことでしょう。
活躍する同世代には「これから追いついて行けるように複数回優勝を目標に頑張ります」と話した天本選手。今シーズンの活躍はまだまだ続きそうです。
写真/大澤進二