「パナソニックオープンレディース」で初優勝を飾った天本ハルカ。パーオン率2位のアイアンショットをプロゴルファー・中村修が解説。
距離感と方向性を備えたアイアンショット
今季好調が続いていた天本ハルカ選手がついに初優勝を飾りました。初シード入りした今オフには師と仰ぐ伊澤利光、同郷の小田孔明といったベテラン勢とラウンドを重ね、アプローチとパットを重点的に取り組んできたといいます。
開幕戦の沖縄では初日を2位タイでスタートすると「まだ探り探りではありますが、ショットの精度は上がってきています」と話し、最終日を4位タイ。その後も、3戦連続のトップ10フィニッシュで着実に自信もつけて来ていました。そのアイアンショットを見てみましょう。
写真は開幕戦での一コマですが、得意だというショートアイアンやウェッジでは方向性と距離感の良さが見て取れます。
飛ばし過ぎたくないショットでは、大きく振り過ぎないようアドレスから小さく構え手元と胸の動きが同調しながらテークバックします。コンパクトなトップに上がりながら左足を踏み込みながら下半身のリードで切り返していきます。
ダウンスウィング以降ではフェースのコントロールに注目してみます。インパクト付近でヘッドだけを走らせないようにするため、おへその動きと手元の動きが連動するように動いています。
そうすることによって手元が止まってフェースが返ることを防ぐごとができ、方向性の良さにつながっています。
こういった状況に応じた技術を伊澤プロから「見て学んで来た」と言います。間近にいる最良のお手本を自分のなかに取り入れて来たことで今季のパーオン率2位や平均ストローク5位という成績にも表れていました。
同世代の活躍に焦りを感じた時期もあったようですが「自分は自分」と自分のペースで一歩ずつ進んで来た天本ハルカ。目指す複数回優勝のチャンスも近々訪れそうです。