米PGAツアー選手のあいだでマレット型のパターが人気なのはなぜなのか? ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人に聞いてみた。
画像: スコッティ・シェフラーもマレット型にチェンジして絶好調(Photo/Blue Sky Photos)

スコッティ・シェフラーもマレット型にチェンジして絶好調(Photo/Blue Sky Photos)

初代スパイダーが、マレット人気のきっかけ!?

クラブフィッター小倉です。今回は、USPGAツアーのパターの流行についてです。ここ最近のUSツアーを見ていると、マレットタイプのヘッドを使っているプロが多くなっている印象があります。10年ぐらい前までは、ブレードタイプとマレットタイプが半々ぐらいだったのですが、明らかにマレットタイプが増えてきていますね。

マレットタイプを使用するプロが増えだしたのが、2008年に登場したテーラーメイドのスパイダーがきっかけだったと記憶しています。もともと慣性モーメントが大きい大型マレットモデルは存在していましたが、初代スパイダーは構えやすさや安定感の高さが評判を呼び、以降リニューアルや改良を繰り返し、現代のマレットタイプの代表的なシリーズとして君臨しています。そのスパイダー人気に対抗し、オデッセイや他のブランドでも人気のあるマレットタイプが登場し、選択肢が増えたのもツアープロの使用率に影響しているのでしょう。

またマレットタイプに、ウェートの搭載位置や異素材との組み合わせ、そしてネック違いと、性能を作り分けたモデルが増えたのもツアープロが手に取る理由になっていると思います。ウェートをフェース寄りに搭載した浅い重心のモデルもあれば、ウェートを最後方に搭載した深い重心のモデルもあり、マレットならではの長いサイトラインなどの構えやすさを備えながら、好みの重心のモデルを選べるのは、投影面積の大きいマレットならではの特徴です。大は小を兼ねると言いますが、パターでいうマレットタイプはまさにこれに当てはまるのでしょう。ブレードタイプでは、重心を深くするには限界がありますし、サイトラインを長くしようとするとヘッド面積が足りないですからね。

ツアーでマレットタイプが増えてきたのは、本来のミスへの強さに加え、ブレードと比べ性能に差がつけやすいというのが使用率増加の理由のひとつかな、と思います。その分アマチュアは、選ぶのが難しくなったかもしれません。マレットだからとひとくくりにせず、ウェートの搭載位置や、ネックの違いなどを確認し、できれば試打をして購入することをおすすめします。

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