女子ゴルフの今季国内ツアー第10戦で今季メジャー大会第1戦のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ最終日が5日、茨城県の茨城県ゴルフ倶楽部東コースで行われ、首位と7打差10位から出た15歳のアマチュア、リ・ヒョソン(韓国)が1イーグル、5バーディ、2ボギーの5アンダー67で回り、通算8アンダーで劇的逆転優勝を果たした。15歳176日の優勝は2014年KKT杯バンテリンレディスを制した勝みなみの15歳293日を塗り替える国内女子ツアー史上最年少優勝記録。7打差逆転はメジャー史上最大の逆転劇となった。
画像: 国内メジャー初戦のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで大逆転優勝を果たした韓国のアマチュア、15歳のリ・ヒョソン(撮影/姉崎正)

国内メジャー初戦のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで大逆転優勝を果たした韓国のアマチュア、15歳のリ・ヒョソン(撮影/姉崎正)

歴史的快挙を引き寄せた18番パー5の2オンイーグル

歴史的快挙だった。

最終18番パー5。韓国のアマチュア、リ・ヒョソンはカップ右手前3メートルのイーグルパットをど真ん中から沈めた。この時点で首位だった佐久間朱莉、イ・イェウォン(韓国)に並び、右手の拳に何度も力を込めて喜びを表現。ホールアウト後、佐久間、イがスコアを落とし、リの大逆転優勝が決まった。

優勝インタビューでは初々しい言葉で喜びをかみしめた。

「アンニョンハセヨ(こんにちは)。日本の大きな大会で優勝できてうれしいです。本当にありがとうございます。昨年よりも成長した姿で日本のみなさんの前に立てました。日本ツアーに将来的に参加できたらいいなと思っています」

ギャラリーから大きな拍手を浴びて初々しい笑みを見せた。

15歳らしい思い切ったプレーが快挙を引き寄せた。韓国の先輩、首位のイと7打差でスタート。1番で5メートルを決めてバーディが先行し、気分よく滑り出した。12番でティーショットを右に曲げてボギーをたたいたが、13番パー3は48度のウェッジで1メートルに乗せてバウンスバック。

画像: 18番パー5で2オンし、イーグルパットを沈めてガッツポーズを見せるリ(撮影/姉崎正)

18番パー5で2オンし、イーグルパットを沈めてガッツポーズを見せるリ(撮影/姉崎正)

17番パー3も7番アイアンで2メートルにつけてバーディ。ショットのキレが抜群だった。18番はフェアウェイから残り215ヤードの第2打を3番ウッドを迷いなく振り切り、ピン右手前3メートルを捕らえた。このショットの直後には中継局で解説を務めた宮里藍が「15歳ならではの"振りちぎり方"な気がします」とびっくりしたように褒めた。

「18番の2打目はイチかバチかでした。イーグルもあれば、ボギーもあると思っていた。今は自分でも優勝したことが信じられない。今回はリラックスした気持ちでプレーしようと挑みました。7打差は意識しないようにした。18番のイーグルまでは平常心を保ってプレーしていましたが、スコアカードを提出した時から手が震え始めて、それから涙が出そうな緊張が一気に込み上げてきました」

画像: 最終日の前半ハーフを終えた時点では、韓国の女王イ・イェウォンと山下美夢有との日韓女王の一騎打ちの様相を呈していた(撮影/姉崎正)

最終日の前半ハーフを終えた時点では、韓国の女王イ・イェウォンと山下美夢有との日韓女王の一騎打ちの様相を呈していた(撮影/姉崎正)

スタート時点では山下美夢有、イ・イェウォンと日韓の女王が上にいたが、気負うことはなかった。

「すごい選手が参加されていると思ったけど、実力が上ですし、優勝は考えず、トップ10に入れればいいと思ってプレーしました」

結果的にリに優勝を譲ることになった山下は「風が強いなか、後半は悔しいラウンドだった。13番の風のジャッジミス、17番の3パットが悔しい」と唇をかみ、メジャー大会で悲願の初優勝を逃した佐久間も「最後の最後まで何が起こるか分からない。ロングのセカンドでラフに入れる、もったいないゴルフをなくしたい」と反省の言葉を口にした。

韓国で今最も期待されている新星はまだゴルフ歴6年

リは記録ずくめの優勝だった。

勝みなみの国内女子ゴルフツアー史上最年少優勝記録を更新しだけでなく、2007年マンシングウェアKSBカップを制した石川遼の国内男子ツアー最年少優勝記録の15歳245日も更新。メジャー大会では畑岡奈紗が2016年日本女子オープンで作った17歳263日の最年少メジャー優勝記録も大幅に塗り替えた。

メジャー大会での過去の最多差逆転記録は2016年日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯の鈴木愛ら6人の5打差で、今大会ではこれも2打更新した。さらに国内女子ツアーのアマチュア優勝は2019年富士通レディースの古江彩佳以来で5年ぶり8人目となった。

画像: 日本そばとうなぎが好きなリ・ヒョソン。パーオン率は大会トップの75%(54/72ホール)とショットの安定感は抜群だった(撮影/姉崎正)

日本そばとうなぎが好きなリ・ヒョソン。パーオン率は大会トップの75%(54/72ホール)とショットの安定感は抜群だった(撮影/姉崎正)

リは2008年11月11日、韓国の昌原(チャンウォン)で生まれた。9歳の時、祖父の影響でゴルフを始め、父がレッスンプロというゴルフ一家で育ち、瞬く間に成長。2022年、23年韓国女子アマチュア選手権を連覇すると、昨年のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップこそ予選落ちしたが、韓国代表として出場した今年4月のネイバーズトロフィー選手権では団体、個人戦ともに優勝を果たしている。身長は164センチでドライバー平均飛距離は250〜260ヤード。韓国で今もっとも期待されている新星が日本のメジャーで早々と結果を出したというわけだ。

ちなみに趣味は映画、ドラマ鑑賞、日本の漫画。好きな日本食は日本そば、うなぎとのこと。

歴史的な快挙を達成し、記者会見では「今後の目標は?」という質問にも胸を張って答えた。

「まだ15歳なので、3年後にプロ転向できる年齢になります。そのころにはに日本ツアーで活躍できるようになっていたいです。私は日本が大好きです。将来は世界の舞台のLPGAに出て世界ランク1位を目指したいです」

メジャーの舞台から飛び出したアジアの新星。将来日本ツアーに参戦すれば、日本選手にとっては、全美貞、アン・ソンジュ、イ・ボミ、申ジエといった歴代強豪に匹敵する手強い相手になりそうだ。

This article is a sponsored article by
''.