気温25度の絶好のゴルフ日和に恵まれた初日ですが、風速5メートル前後の風がグリーンを乾かし、硬くスピードのある仕上がりになりました。初日の注目組である昨年のプレーオフを戦った山下美夢有、岩井明愛、千怜の最終組は多くのギャラリーを引き連れました。
岩井姉妹が組み合わされた際の過去の成績について、父・雄士さんから「二人で(スコア)伸ばすことはあんまりないんです」と聞いていたとおり、千怜選手は3アンダー9位タイ、明愛選手は4オーバーの91位タイと出遅れました。
最終日の12日が「母の日」ということで、大会を通して姉妹でピンクのウェアを着用すると前年優勝者の千怜選手から聞いていました。例年より硬く仕上げられたグリーンへの対応が明暗を分けた初日となりましたが、明日の明愛選手の巻き返しに期待しましょう。
前週の国内メジャーで最後まで優勝争いをした山下美夢有選手は、ベテランの清水重憲キャディと初タッグを組みました。16番パー3でバンカーの淵につかまるアンラッキーなダブルボギーもありましたが、首位から1打差の4アンダーで終えています。
清水キャディに山下選手の強さを聞いてみると「100ヤード前後のスピンコントロール、距離の合わせ方が抜群ですね。グリーンが硬かったのでピンまでの距離からマイナス5ヤードで伝えるとしっかりバーディチャンスにつけてきますね」とPWからSWまでのウェッジのコントロールショットは目を見張るものがあるといいます。
山下選手は練習日には新しいパターをテストしていましたが、先週使用したオデッセイの三角ネックを持つ「Ai-ONE トライビーム 2ボール」を引き続き使用していました。先週に比べるとグリーンのスピードはそこまで速くはありませんが、同じパターを使用し6つのバーディを奪う内容でした。
一方でパターをチェンジして好スタートを切ったのは小祝さくら選手。ツノ型のオデッセイ「Ai-ONE ミルド#7」を練習日からテストし実戦投入。5アンダーの首位で発進しています。先週までは樹脂のホワイト・ホット インサートのモデルと使用していましたが、チタンインサートで打感は少し硬く、弾きの良いモデルが福岡CC和白のグリーンとマッチしたようです。
もう一人パターをチェンジして首位で終えたのは、昨日誕生日を迎えた鈴木愛選手。元々使用していたピンのアンサータイプの「PLD」に戻していました。「状態が良くなってきてそれまで使っていたセンターシャフトだと切り返しのタイミングが合わなくなってきたので」と、10メートルはあろうかというロングパットから、4メートル前後のバーディパットまでしっかりと沈めて6バーディ1ボギーと歴代優勝者の強さを見せてくれました。
最終日が強い雨の予報が出ていますので、明日も伸ばし合いの展開になりそうです。首位と2打差の3アンダーまでに19名、3打差の2アンダーまでには35名がひしめく大混戦になっています。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/中村修