ツアー解説でおなじみの佐藤信人プロ。今回はPGAで唯一、カラーボールを使って優勝したピーター・マルナティについて語ってもらった。
画像: 「パターは上手いものの、年々パワーゲーム化するなかで、飛距離のないマルナティには苦しい展開が続いているのも確か。しかし、今回の優勝をステップに、自分らしく戦う術も武器にできるかもしれません」と佐藤プロ(PHOTO/Getty Images)

「パターは上手いものの、年々パワーゲーム化するなかで、飛距離のないマルナティには苦しい展開が続いているのも確か。しかし、今回の優勝をステップに、自分らしく戦う術も武器にできるかもしれません」と佐藤プロ(PHOTO/Getty Images)

PGAツアーで”最もカラフルな大会”と呼ばれているのが、3月最終週に開催されるバルスパー選手権。スポンサーが塗料会社のため、ありとあらゆる場所が色とりどりにペイントされています。

その大会で、PGAで唯一、カラーボールを使う選手が優勝しました。

ピーター・マルナティがその人で、インディアナ州生まれ、ミズーリ大出身の36歳。15年のサンダーソンファームズ選手権以来、8年半ぶりの優勝となりました。

黄色いカラーボールは、昨年の夏から使い始めました。理由は当時3歳だった息子がイエローボールがいいと言ったから。

この効果か、これまで16年から7回出場して、予選通過はわずかに1回、最高成績は19年の60位タイという相性の悪い大会で、カラーボールによって制しました。4歳になった息子を抱いての優勝インタビュー。いつもは笑顔で、PGAきってのナイスガイと呼ばれるマルナティの涙は感動的でした。

PGAにはポリシーボードと呼ばれる政策委員会があります。理事には6人の選手がいますが、その一人がマルナティです。他のメンバーの顔ぶれを見ると、タイガー・ウッズ、アダム・スコット、パトリック・カントレー、ウェブ・シンプソン。いずれもメジャー優勝経験者で、いわゆるスーパースターばかり。

そのなかでマルナティが選ばれているのは、いわゆる”普通の選手”の代表。下部ツアーも含むツアー全体を見渡す役割もあるでしょうし、その根底にはやはり人柄がある。

松山(英樹)くんのキャディを務めた進藤大典氏によれば、「PGAツアーきってのいい人」、また(石川)遼くんをして、「成績が出ないときでもいつも笑顔でいられるあのメンタルはすごい」。

マルナティのことを悪く言う選手は、PGAにはまずいません。ボクは、”いつ消えていってもおかしくない選手”というふうにも思っていました。

ディビジョン1にはいるものの、けして強豪校ではないミズーリ大。09年にプロ転向するも、ミニツアーを4年戦い、その後もPGAと2部ツアーを行ったり来たり。

優勝したサンダーソンファームズは、WGCの裏開催でマスターズの出場権が得られない試合でもありました。

しかし、90%以上がマルナティのような選手であることも現実。シグネチャーイベント(昇格試合)のペブルビーチに推薦出場した際には非難もありましたが、「自分は90%以上のスターではない選手たちの代表理事。そして多くの選手は、こういう試合に出場、そして優勝を夢見ている」と、理事として多くの選手の声を代弁しました。

ザ・プレーヤーズ選手権3日目、66をたたき出した際には理事としての質問も多く、LIVゴルフに関するものも。

「両ツアーの関係が良くなることを願う」としつつ、団体戦がアイデンティティのLIVに対し、「果たしてあれを見てワクワクする人がいるのだろうか?」とチクリ。

「優勝したことで、今後2年間試合に出られることが嬉しい」

妻への感謝の後に吐露した優勝コメントは、ほとんどの選手の本音でもあります。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「さとうの目」より

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