今季の竹田麗央は、開幕戦こそ予選落ちに終わったものの翌週から5位、5位タイ、6位タイ、2位タイと4週連続で優勝争いに絡むと「KKT杯バンテリンレディスオープン」で初優勝、そして翌週の「フジサンケイレディス」で2週連続優勝を飾った。12戦目の「ブリヂストンレディス」でも盤石のプレーで最終日もスコア伸ばして3勝目を挙げ目下ポイントランク1位に位置している(5月22日現在)。
その竹田がお気に入りの一本に挙げたのは「ドライバー」。「ドライビングディスタンス1位を取りたい」といい、現在のスタッツを見てみると、1位の穴井詩に続いて0.4ヤード差で2位。3位の神谷そらは約1ヤード差と上位3名は僅差で争っている状況だ。
前週の「ブリヂストンレディス」では4日間の平均飛距離は2位に30ヤード以上の差をつける284.625ヤードを記録し、活躍したクラブに「ドライバー」を挙げていたことからも竹田にとってドライバーはゲームの要になるクラブになっている。
「先週はドライバーがすごく活躍してくれたのでパー5でたくさんバーディを獲ることができました」(竹田麗央、以下同)
特に印象に残ったドライバーショットを聞くと、袖ヶ浦カンツリー俱楽部袖ヶ浦Cの2番パー5だという。右ドッグレッグの490ヤードで右コーナーにあるバンカーのさらに右の高い木の上を高弾道のフェードボールでフェアウェイを捉え、2打目を6番アイアンで楽々2オンからのバーディを奪っていた。
最終日は「後半の10番から15番まではパーでいいと思っていたので、前半に伸ばすことが大事だと思ってスタートしました」と3連続を含む5バーディで一気にスコアを伸ばし頭一つ抜け出し、後半は1バーディ1ボギーながらも2打差で3勝目を手にしていた。
「ブリヂストンレディス」では、1ラウンドに4ホール×4日間で16ホールあるパー5で1イーグル10バーディを奪った原動力となったドライバーについて話をきいた。
「始めはZX7MkⅡを使っていたのですが、少し右に抜ける感じがしたので、LS(ロースピン)の8.5度を1度寝かせるよう調整してもらったら自分のイメージ通りの弾道になりました。飛距離も出るし思った球が打てるので自信を持って打てています」
「LSはプロトタイプで国内女子では竹田選手だけが使用しています。ロフトを1度寝かせてつかまりを良くし、ソールのウェイトの後方側を重くするセッティングにしたことで高い弾道とコントロール性がピタリとハマりました」とダンロップのメーカー担当者の弁。
スピン量が少ないので、ある程度ヘッドスピードがないと飛距離に結びつかないモデルだけに、ヘッドスピードのある竹田ならでは。シャフトもグラファイトデザイン「ツアーAD UB」の5Xとこれまたハードなシャフトを使いこなしている。
「ツアーAD UB」は6Sもテストしたそうだがしっかりと叩いても曲がらない5Xで落ち着いたという。中元調子のこのシャフトは先端の剛性を高め大型ヘッドでもブレずに当たり負けしないシャフトでフェードヒッターに向いたシャフトになっている。長さ45.25インチでバランスはD1、総重量308グラムと男子並みのスペックも竹田ならではのセッティングだ。
今週の「リゾートトラストレディス」で2週連続優勝で4勝目の期待もかかる竹田だが、来週の「全米女子オープン」に向けては「向こうで自分のドライバーやゴルフがどうなのか、とても楽しみにしています」と、飛距離だけでなくすべてのレベルを上げ、自信も手にした竹田のプレーにも注目していきたい。
写真/中村修