正午の気温21.7度に風速6メートルの風が吹きました。うねりのある傾斜によって面に分かれたグリーンでは3日目もピン位置が難しく、なかなかスコアを伸ばせない展開になりました。一例を挙げれば、段を越えた先にあるピンを狙うショットは、オーバーすると下り傾斜でグリーン外へと転がり、段に当たると手前に戻るなど、選手を苦しめていました。
今日注目した3名のうち、初日2日目ともにノーボギーで3日目首位からスタートした金澤志奈選手は、4バーディ1ボギーと彼女らしい堅実で危なげないプレーで単独首位で終えました。「これまで最終日に崩れることが多かった」と初優勝を目指す金澤選手は尊敬する申ジエ選手から「とにかく今立った場所を精一杯100%の力でプレーしろと言われてます。前のこととか後のこととかあまり考えずに、この場を全力でプレーするように」言われているとランド後の会見で話しました。
初優勝のかかる明日の最終日最終組は、平常心を保ちながら自分のプレーに集中したいといい、「緊張するとリズムが早くなると思う。自分はリズムが取り柄だと思っているので、そこを崩さないようにしていきたい」と締めくくりました。
注目した2人目の首位と1打差の8アンダーからスタートした岩井明愛選手は、3バーディノーボギーでプレーし11アンダーまで伸ばしました。付いて歩いたホールではピン位置次第では明愛選手らしいアグレッシブなプレーを封印してセーフティな位置に乗せたり、積極的にピンを狙ったりとメリハリのあるラウンドがノーボギーにつながっていました。
今季はロングパットや上りのパットでショートすることが多かった明愛選手ですが、先週の「ブリヂストンレディス」の初日に7連続バーディを奪うなど5位タイと復調気味。「ちょっとミスをしてしまうと自分を攻めるような感じで思ってしまう」から「もう少し楽に楽しもう」と気持ちを切り替えられたことで今週も優勝争いに加わっています。
ドライバーがとても安定していて、ストレスなくフェアウェイから2打目を打てているのでピンチらしいピンチもありませんでした。明日は「バーディがたくさん獲れるようなゴルフができれば」と積極的なプレーが見られることでしょう。
そして最後に8アンダー4位タイで終えているレギュラーツアー初出場の政田夢乃選手。5度目の挑戦でプロテストに合格した2000年生まれの23歳。北海道出身で小祝さくら選手とはジュニア時代によく一緒に試合に行っていた仲だといいます。おっとりとした話し方もどことなく似ていて、自分のプレーに集中し緊張しているように感じさせないプレースタイルも似ているという印象です。
154センチから力強いショットを打ち2バーディ1ボギーと厳しいパーパットもしっかりと決めスコアを一つ伸ばしました。首位から4打差の優勝争いに加わるも「明日はパターを打ち切りたい」と最終ホールのバーディパットを打ち切れずに外したことを悔やみ最終日に臨みます。
初優勝を目指す首位の金澤志奈、3打差から追い同じく初優勝を目指す藤田かれん、今季初優勝を目指す岩井明愛と最終日は勝利を手にするにはスコアを伸ばすことは必至の展開になりそうです。サンデーバックナインで抜け出すのは誰か? 明日も現地からのレポートをお届けします。