「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけてきたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はパターの形状とパッティングスタイルの関係について宮城流の考察をお届けする。
画像: X・シャウフェレはオデッセイのネオマレットパターを使用して全米プロ優勝

X・シャウフェレはオデッセイのネオマレットパターを使用して全米プロ優勝

自分のタッチに合うタイプを選ぶことが大切

み:S・シェフラー、X・シャウフェレ、そしてR・マキロイ……最近の米ツアーではネオマレット型のパターが人気です。超一流のプロがネオマレットを使う理由を教えてください。

宮城:ぼく自身PGAツアーに行っていた頃から20年くらい見てきましたが、ネオマレットのユーザーはラインの読み方に特徴があります。曲がり幅を薄めに読んでカップの正面からストレートに入れてくるプレーヤーが多い印象です。

み:逆にタイガー・ウッズや松山英樹選手のように、かたくなにブレードを使い続ける選手もいます。彼らは何を求めているのでしょうか?

宮城:ブレードタイプはラインを厚く読んでカップの横から入れるプレーヤーが多いですね。

み:ネオマレット派とブレード派はそれぞれどんな理由でヘッドを選んでいるのでしょう?

宮城:要するに自分のタッチに合うパターを選んでいるということです。より直線的にねらうタイプなら初速の出るネオマレットのほうがイメージは合いやすいけれど、逆にたとえばタイガーのように球を曲げたいプレーヤーがマレットを使うと自分のラインに乗せにくくなってしまいます。

み:すると松山選手もタイガーと同じパット巧者といえますか?

宮城:彼はそこまで上手とはいえないように思いますが、いままで培ってきた感覚に合うのがブレードなんでしょう。

み:アマチュアには球が曲がりにくいマレットのほうがやさしいですか?

宮城:そうとは限りません。昔、スモールマレットのロッシーを使っていたプロから、やさしいパターを使おうとネオマレットに手を出したらまったく入らなくなったと相談を受けたことがあります。

み:以前、仰っていた矢野東プロのエピソードですね。

宮城:そうです。入らなくなったのは自分のイメージ通りに球が曲がらなくなったからです。そのときにどんなパターがやさしいかは人によるよね、という結論になりました。一概にマレットがやさしいとかブレードは難しいという話ではなく、自分に合うタイプを見つけることが大切です。

み:では自分に合ったパターを見つけるためのポイントを教えてください。

宮城:一つめのポイントは形が好きか嫌いかです。かまえたときに自分が安心できたり、イメージが出しやすいものを選びましょう。二つめは出球の強さです。自分のイメージと初速が合うパターを使うことで、距離感はもちろん、方向性もよくなります。

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