同大会は2014年から開催されており、ミシガン州ベルモントのブライズフィールドCCが舞台で、賞金総額は300万ドル。全米女子オープンは1200万ドルだから1ケタ違うのだが、メジャーでない
”平場”の大会としては高額なほうに入る。
ちなみに「マイヤー(Meijer Inc. )」とは、ミシガン州グランドラピッズに本社があり、主に米国中西部で展開しているハイパースーパーマーケット(飲食物、衣類、ガソリンスタンドなどを併設)のチェーン。
この大会の特徴はズバリ、ギャラリーが多いこと。米LPGAはギャラリー数を正式発表していないが、2023年の同大会では7万人前後だったという。
人気の秘密のひとつとして挙げられるのが会場内の飲食物の安さだ。たとえばペプシ。昨年の実績だが、マイヤーLPGAではなんと1ドル(約156円)。それが今年の全米女子オープンでは5ドル(約780円)。グラスワインはマイヤーLPGAは4ドル、全米女子は11ドル。チーズバーガーは4ドルに対し、10.5ドル。4番ホールわきには、飲食しながらプレーが見られるコーナーもある。
チケットは1日につき大人10ドルで、17歳以下は大人と一緒に行くなら無料とあって、家族連れが1日中楽しめる仕掛け。飲食物の安さはスポンサーが食品関連会社だからこそできる芸当ではある。
マイヤー社の創設者フレッド・マイヤー氏(1919年-2011年)の言葉で、今も同社に社訓的に伝わっているのが「Iwant to leave the world ina little better shape than when I enteredit.」日本語に直すと「私が入ったときより、世界をちょっとでも良くして去りたい」。
物価の高騰や富裕層と貧困層の分断など、アメリカや日本が抱える問題の解決の一助になりそうなフレーズ。「little(ちょっと)」でいいから、私たちができることを考えるきっかけにもなりそうだ。
●取材・写真/南しずか
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月25日号「バック9」より