我慢の展開もしぶとくスコアを伸ばした桑木
昨日の雨の影響、そして午前中に時より降る雨により、グリーンは止まりやすくなっていた第2ラウンド。そのため、いかにピンまで突っ込めるかどうかがスコアを伸ばすカギとなりそうなコンディションであったが、10番からスタートした桑木志帆は、奥まで突っ込み切れず、11番パー3でアプローチで寄せるものの、パットを決めきれずボギー先行のゴルフに。その後もパーオンはするものの、長いバーディパットを決められず、我慢の展開が続く。
15番パー4では2打目を左に曲げ、左ラフに入ってしまう。しかし、アプローチで1m弱につけ、パーで凌ぐことに成功。その後、16番で今日初バーディを奪うと後半の2番、8番でもバーディを奪い、終わってみれば3バーディ2ボギー、ひとつスコアを伸ばし、トータル8アンダーでホールアウト。
スコアはひとつしか伸ばせなかったが、要所要所で訪れるピンチの場面では、アプローチでリカバリーする場面が多く見られた。実はこのアプローチ、練習日である火曜日にタイトリストボーケイ・アプローチコーチである永井直樹氏に教えを乞いていた。
練習日にラフからのアプローチを改善
桑木が相談したのは、ラフからの距離感だという。約1時間、身振り手振りで教えていたが、どんなことを話していたのか?
「桑木プロはアドレス時から右足体重で、それを変えずに打つ傾向がありました。この状態で球を上げようとすると、クラブは下から入ってきますので芝の抵抗を強く受ける。結果、距離感が合いにくいということが起こっていました。
逆もまたしかりで、低い球を打つ時も高い球同様、右足体重のまま手元を飛球線方向に出してボールにコンタクトしていました。結果、ロフトが立って強い球が出すぎてしまっていたのです。
そこで芝の抵抗の大きいラフからのアプローチで距離感を合わせるひとつの手段として高い球、低い球どちらにしても左足体重にすることを提案したんです。これだけで最下点はボールの先になるので、高い球を打つ場合でも芝の抵抗をさほど受けずにボールにヒットできますし、低く出す場合であってもややカット軌道になるのでロフトが立って飛びすぎるということがなくなり、結果として距離感も合いやすくなるんです」(永井)
アドレスひとつで大きく変化したアプローチ。この変化が今日の試合でも崩れなかった要因と言えるかもしれない。
前半スタート組で最もスコアを伸ばしたのは、先週の「アース・モンダミンカップ」で単独2位につけるなど、好調を保っている安田祐香。5バーディ、1ボギーとスコアを4つ伸ばし、トータル-6に。現在、後半組の堀琴音が大幅にスコアを伸ばすなど、混戦になりそうな資生堂レディスの第2ラウンド。競技短縮となったこともあり、いかに今日からブーストをかけられるかが重要になりそうだ。
PHOTO/Tadashi Anezaki