7月に入り国内女子ツアーは折り返し19戦目となります。先週の神奈川県の戸塚CCから舞台を札幌市の真駒内CC空沼Cに移し、北海道らしいフェアウェイ、ラフも洋芝のコースとなっています。昨年から会場は真駒内CCになり、ディフェンディングチャンピオンは小祝さくら選手。2位タイには菊地絵理香、5位タイに宮澤美咲選手と北海道出身の3名が上位で終えていたのは洋芝への対応力の高さも大きな要因だったでしょう。
北海道のゴルフコースといえば洋芝のフェアウェイとラフが特徴です。フェアウェイからは気持ちよく削ったターフが飛びますが、粘り気のあるラフはフェースの勢いを吸収してしまうと野芝と違いあまり飛びません。グリーン周りのラフからのアプローチも粘っこい芝にクラブのスピードが落ち飛ばない傾向にあります。
その洋芝のグリーン周りのラフからのアプローチを高橋彩華選手に聞いてみました。
「やっぱり粘っこいのでクラブが引っかかるというか、先週までと違って抜けが悪いので少し強めに入れたくなりますよね。いつもよりは少しヘッドを動かすように打っています」(高橋彩華)
よく聞いてみるとハンドファーストを強くしないように構え、インパクト前後でヘッドをリリースしながら打つようです。そうするとヘッドスピードを保ちつつ、入射角が浅くなり、ソールのバウンスを利かせることできるといいます。
これは海外のレッスンでは聞きなれた30ヤード以内の「フィネスウェッジ」と呼ばれる打ち方です。2年前に米女子ツアーの現地取材に行った際にも多くの選手がヘッドをリリースしながら打ち、インパクトでのシャフトの傾きは垂直に近い状態で打っていました。
高橋選手もそれを知ってか知らずか、洋芝への対応すべくアプローチの打ち方に変化を持たせていました。わずかに左に重心を保ちヘッドをリリースしながら入射角を浅くし、バウンスを利かせた打ち方が洋芝のアプローチのコツのようです。
真駒内CCの芝はグリーンはベント、フェアウェイ、ラフはライグラス、ブルーグラスとなっています。北海道特有の芝に対応し上位に顔を出してくるのは誰になるでしょうか。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/中村修