ライバルでありながら、お互いに高め合う存在
レギュラーツアーに限らず、多くの地区オープンでも「指定練習日」が設けられていて、コースの下見を希望する選手は事前に本番のコースでラウンドをします。
天気やコースのコンディションによって、予選・本選のピンポジションを想定したり、同じ地点から複数の番手で打って本番に採用する番手を検討したり。予選通過、その先の優勝を目指す大事な「練習」のため、どこか殺伐とした空気感があるのでは……、と想像していました。
しかし、いざ参加してみるとそんな雰囲気は一切なく、お互いのショットを褒め合い、時にはいじり合い、惜しみなく情報共有し合っている姿が印象的でした。これは地方オープンだからでしょうか?
今回、帯同する大関翔プロと一緒にラウンドしたのは昨年度賞金ランキング34位の杉原大河プロ、今年で北陸オープンに3年連続出場となる坂本柊人プロ、今年の関西オープンで17位タイだった島野璃央プロの4名。
先の疑問(地方オープンだから和やかな雰囲気なのか)をシード選手である杉原大河プロにぶつけてみたところ、「結構いつもこんな雰囲気です。しんみりしながらラウンドするよりは全然いいですし(笑)。話すときは話すし、それぞれ自分でやるときはやるみたいな、メリハリがある感じですね」と回答いただきました。
坂本柊人プロも「今日は知った顔で回れたので、結構わちゃわちゃしてましたが、基本そんな感じです。普通のツアーの練ランでも、"こっちから結構速いよ"とか、"ここだったらドライバー持たなくてもいいんじゃない?"とか、選手間はもちろん、他の選手の帯同キャディさんと話し合ったりフレンドリーな感じで回ってます。バチバチした人もいるのかもしれないけど、見たことはないですね」。
この組で最年長の大関翔は、「みんなライバル同士ではあるけど、自分も含めてみんなベストを出し切った状態で試合に挑んで欲しいというか、お互いに上を目指していこうという気持ちでラウンドしています。兄弟子にあたる(小林)伸太郎さんともよく一緒にラウンドしますが、"翔〜、ちゃんと本番のピンポジ想像した?"と優しく指摘してくれるというか、上手くなって欲しいと思ってくれてるのを感じます」と、私の想像とは裏腹に全員がお互いをライバルとしてよりも同志として考えている様子でした。
いよいよ明日から始まる北陸オープン。今年は富山テレビ開局55周年、北日本新聞創刊140周年記念ということもあってか、片山晋呉プロ、宮本勝昌プロ、石川遼プロなど、ビッグネームのプロも多く出場します。放送は富山テレビ、石川テレビ、福井テレビと限られますが、"試合以外ではどんな感じでプレーしているのかな"と思いを巡らせて観戦するのも面白そう!
ちなみに、アウト7番とイン14番は特にティーショットが難しいと口を揃えて話していました。選手たちがどんな戦略で攻めてくるのか是非注目してください!