数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はキャロウェイゴルフの「エピック フラッシュ サブゼロ ドライバー」です。
フッカーが気持ちよく叩けるドライバー
振ってみると、シャフト重量のわりには、ヘッドの重さを感じられるクラブです。芯に当たったときの初速の速さは、現在発売されているドライバーのなかでも、間違いなくトップクラスでしょう。（堀越）
人工知能AIによる「フラッシュフェース」でさらなる初速アップを実現したという
ややオープンフェースの逃げ顔は、左へのミスを怖がらずに、安心して振っていける印象を与えてくれます。実際、ドローが持ち球の私が打っても、ボールがつかまりすぎることがなく、気持ちよく叩いていけました。
ロフト9度のヘッドを打ちましたが、高さは適度な中弾道で強い球が打てます。ツアーADの50グラム台のシャフトは、いい意味で何もしないシャフト。挙動が素直なので、どんなタイプのスウィングにもマッチするでしょう。
ソール後方の可変式ウェートで重心位置を調整可能。上級者好みの引き締まった逃げ顔も特徴
手元から中間でしなりを感じるシャフト
球離れが早めなので、球筋や弾道を自在にコントロールするというより、オートマチックに真っすぐ遠くへ飛ばすタイプのドライバーといえます。
アベレージモデルほどの寛容性はないので、スウィングが安定してミート率が高く、ヘッドスピードもやや速めの上級者向き。左へのミスに悩んでいるフッカーにもオススメです。（堀越）
オーソドックスで構えやすい顔つき
実測でクラブ長さ、重さともに標準的ですが、スウィングウェートが大きいので、クラブ慣性モーメントがやや大きくなっています。ヘッドの輪郭は兄弟モデル「スター」と違ってオーソドックスで、シャローバック度合いも強すぎず、構えやすいです。（松尾）
米国モデルらしいオープンフェースで、フェースのトウ側に逃し感もあり、フェースがかぶっていません。9度の「ツアーAD SZ」のSシャフトを試打しましたが、プロモデルとしてはシャフトが軟らかめで、HS40～42m/sくらいのゴルファーでも扱えそうです。
シャローバックの度合いが強すぎない
左へのミスが多い人、強い弾道で飛ばしたい人
アジャスタブル機能の標準ウェート位置では安定したストレート～フェード系弾道を打ちやすく、重いヘッドでボール初速も速いです。プロモデルにしては、軽い高めのインパクト音で弾くイメージがあります。（松尾）
【総合評価】 飛距離性能 4.5／つかまり 3.5／上がりやすさ 4／ミス許容 3.5／操作性 4.5 ※5点満点
ヘッド体積／460cc
ロフト角／9度、10.5度
ライ角／56度
長さ／45.25㌅（ツアーAD SZ）
シャフト／ツアーAD SZ（S、SR）、
ツアーAD VR-6（S）、
スピーダーエボリューション661 V（S）
総重量／約310g（ツアーADSZ・S）
価格（税込）／8万3160円～
※メーカー公表値
解説：クラブ設計家 松尾好員
解説：プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年5月7・14日合併号より
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