数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はキャロウェイゴルフの「エピック フラッシュ サブゼロ トリプルダイヤモンド ドライバー」です。
風に強い弾道が打てるリミテッドエディション
やや小ぶりでディープフェース、洋ナシ形状のヘッドは、ノーマルのサブゼロとは構えたときの印象がかなり違います。フェースを目標に対してスクェアに構えやすく、ロフトも立って見えるので、いかにも上級者向けといった顔つきです。(堀越)
実際に打ってみると、初速性能はそのままで、中弾道の強い球が出ます。つかまりを抑えたヘッドで、ドローヒッターの私でも、球筋はほぼストレートか、軽いドローになりました。
意図的に球をつかまえにいっても、曲がりの大きいドローにはならないので、左へのミスを怖がらずに振っていけます。(堀越)
試打したクラブはロフトが9度でしたが、浅重心でロフトが立ったままインパクトを迎えるので、ヘッドスピード45m/sぐらいはほしいですね。それ以下の人は10.5度のロフトを選ぶと打ち出し角を確保できます。
スウィングプレーンがしっかりしていて、打点も安定しているシングルハンディの上級者で、持ち球がドローのアスリートにオススメ。打ち手を選ぶクラブですが、低スピンの風にも強い弾道で、気持ちよく飛ばせるドライバーです。(堀越)
左に行きにくい工夫が満載
クラブの長さと重さが標準的なので、クラブ慣性モーメントが抑えられ、本来はヘッドスピードが43~44m/sのゴルファーが振りやすいでしょう。(松尾)
標準のサブゼロよりもヘッドの横幅が広く、やや三角形型の形状をしています。また、FP値が大きく、ディープフェースで、米国モデルらしく強めのオープンフェース設定が特徴です。9度の「ツアーADSZ」のSシャフトは、プロモデルとしてはシャフトが軟らかめで、ヘッドの重心位置がトウ寄りで、強いフック系弾道が出にくくなっています。
力が入ると左に行きやすい人、スピンを抑えて飛ばしたい人
弾道は低めでランがよく出るモデルです。標準のサブゼロと同じフェース構造なので、プロモデルにしては軽やかで高めのインパクト音で飛んでいる印象を受けます。フェード系に弾道をコントロールしやすいですね。(松尾)
【総合評価】 飛距離性能 4/つかまり 4.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 4.5/操作性 3 ※5点満点
ヘッド体積/450cc
ロフト角/9度、10.5度
ライ角/56度
長さ/45.25㌅
重さ/304g
シャフト/ツアーAD SZ(S、SR)、
スピーダー エボリューション for CW(S、SR、R)
価格(税込)/9万9360円(ツアーAD SZ・S)
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年6月25日号より