川﨑春花プロのスウィングがアマチュアの参考になる!
原田 前回で「良いグリップの要素」A、B、C、Dを修了しました。しっかりマスターできましたか?
GD まだまだですけど、グリップの大切さは痛いほど分かりました。これからはグリップをおろそかにせず、常に正しい握り方を意識していきたいと思っています。
原田 それに気がついてくれれば、こちらとしてもうれしいですね。さて、正しいグリップへの取り組み方が一段落したので、とりあえずクラブを振る前の準備はできたはずですね。
GD ということは、今回からは実際にクラブを持った動きに入っていくわけですね?
原田 そうです。まずはクラブを持った動きの手始めとして、ハーフスウィングから取り組んでいきましょうか。
GD ハーフスウィングはこの連載の開始直後に取り組んだんですけど、途中で体幹ターンやグリップの重要性を学ぶ必要があったため、一時置いてきた感じになっていました。
原田 あれからちょっと間が空いちゃったから、ハーフスウィングの段階でも十分参考になるプロの良い動きというものを目で確認したほうがいいかな。
GD あ、前に原田プロがいいスウィングをしていると高く評価していた川﨑春花プロですか。あれから川﨑プロは2試合連続優勝を果たしましたね。しかも"大東建託"では通算28アンダーのツアー新記録も樹立して。
バックスウィングの理想的な形
原田 川﨑プロの動きでね、アマチュアが見習ってほしい点がいくつかありますので、それを説明します。まず、バックスウィングの途中でシャフトが地面と平行になったとき、後方から見てシャフトがヘッドと重なって見えないんです。また、そのときのヘッドのリーディングエッジの向きが背骨の角度と同じになっています。そこから上げていくトップの位置も素晴らしいです。
GD 右足土踏まずとかかとの間の真上に上がっていいますね。
原田 それが理想の位置なんです。それとね、左へ振っていくときも、しっかりと左足に体重が乗って、それに手がついてきて振り抜いています。だから華奢(きゃしゃ)に見える体でも飛ぶってことです。
GD 確かに川﨑プロは原田プロのカリキュラムで私たちが学んできたことが、しっかりとできていますね。これからも常に動画などでチェックして参考にしていきたいです。
ハーフスウィングはスウィングの8割を占めている!
原田 良いスウィングは目から吸収することも大切です。ぜひ、そうしてください。では、ここでもう一度ハーフスウィングの重要性、取り組む意味について説明します。ハーフスウィングの意味は、例えば、初心者の人がいきなり大きなスウィングをしたら、ボールに当たらないんですよ。ですから、まずは短い距離を真っすぐに飛ばす練習からするんです。フルスウィングを100%としたら、ハーフスウィングは80%。全体の8割を占めているわけです。その完成度を上げていけば、自ずとゴルフの上達につながっていくわけです。
GD 自分も最初に初めてコースでドライバーを振ったときは8連続空振りでした。先輩からお前は素振りが多いと怒られたのを覚えています。
原田 でも、そういう初心者の人は多いんです。いきなり大きなスウィングをしたら、空振り、ダフり、トップが出ちゃいます。そうするとね、やっぱりゴルフは難しいってなっちゃう。そうなってほしくないので、初心者の人はハーフスウィングでもって、短い距離を真っすぐに飛ばす練習から入ってもらいます。
GD あのころ、ハーフスウィングの大切さを知っていたらよかったのに……。
原田 まだ遅くないですよ。ハーフスウィングはゴルフ経験者にも効果があるんです。経験者のスウィングを直す場合、フルスウィングでは直し切れないことが多くて、ハーフスウィングで基本から矯正していくんです。これがハーフスウィングの重要性であり、取り組む意味なんです。
GD ハーフスウィングの基本の動きを改めて知りたいです。
原田 私たちのカリキュラムでは、ハーフスウィングの大きさは、右へ上げるとき、クラブのシャフトが地面と平行、左へ振るときもシャフトが地面と平行まで振ります。クラブを上げる位置は、右へ上げるときは体の横です。体の前や後ろはNGです。左へ振るときも、体の横に振ります。真後ろから見たときに、グリップとヘッドが重なってシャフトが見えない状態なら合格です。フェースの先は下に置いたら体の正面方向を向きますが、右に上げたときは上に向くようにします。左へ振ったときも上を向くように振ります。