全国的な猛暑のニュースが散見される中、会場となる「札幌国際CC島松C」の気温は25.2度と過ごしやすい気候となりました。朝のうちは小雨が降る場面もありましたが、時折り強い風も吹き距離感を合わせるのが難しいコンディションになっています。
初日に注目したのは米女子ツアーから一時帰国し、推薦出場する渋野日向子選手。全米女子オープン2位、KPMG全米女子プロゴルフ選手権で7位と復調し、今季初の国内ツアーで顔を見せてくれました。昨年11月の「TOTOジャパンクラシック」以来、約8カ月ぶりに渋野選手と会いましたが、少し体が引き締まった印象を持ちました。
フランスで開催された「エビアン選手権」のあとカナダ(アルバータ州)、米国(オハイオ州)から北海道へと数千キロを移動しながらの4連戦の影響は少なからずあるはずです。もちろん渋野選手はそこを言い訳にはしませんが、初日はショット、パットともに精彩を欠き、なかなかバーディが獲れない展開が続きました。しかしそのままでは終わらないのが渋野日向子という選手。最終18番パー5の3打目、残り52ヤードのラフからギャラリーを沸かすチップインイーグルで締め、3オーバー83位タイで終えました。
ドライバーショットはグリーンを狙いにくいサイドのラフに外すことも多く、バーディチャンスを作ってもわずかにパットが決められないフラストレーションの溜まるラウンドに、「全体的には何も良くなかった」と振り返りました。直近3試合は予選通過はするものの下位で終えている現状を表しているような初日の内容になりました。
その原因を聞かれると「気持ちの問題かなと思います」と答え、日本でプレーしていた頃と変わらない自分に厳しい渋野日向子がいました。辻村明志コーチと取り組むスウィング改善は、メジャーの上位フィニッシュの結果が示すとおり、良い方向に向かっていることは明らかですが、時差ボケや連戦の疲れなどからわずかにタイミングがずれているように感じました。
もう一つパッティングスタイルにも変化が見られています。腰を折ってかがむように構えるアドレスについて聞いてみると、「試行錯誤しているわけではないのですが、今の姿勢はあれですね」とのこと。
両腕で胴体を挟むようにわきを締め、手元を近くし上体動きとパターの一体感を持たせるようにストロークしていました。バーディチャンスもパーパットもわずかに入らないシーンが今日は見られましたが、11フィートのスピードに手前から奥に上り傾斜のある小さいグリーンは、横や上につけると難しいパッティングが残るため多くの選手が苦しめられていました。
現在のカットラインはイーブンパー43位タイとなっています。明日の天候次第ですが恐らくイーブンパーか1オーバーくらいのカットラインだと予想すると、2アンダー以上のスコアが求められる2日目になりそうです。
同組で地元出身の小祝さくら、吉本ひかるとの組み合わせもあり、大勢のギャラリーが囲み拍手や歓声に「あの景色はすごいなと毎回思わされます」と気を引き締められ緊張感もあると話します。
「ちょっと頑張らないとなので、パー5 でしっかりバーディーを獲ることと、もうちょっとフェアウェイキープをできると、もう少しグリーンを狙うショットが難しく打たないで済むとは思うので、そこかなと思います。後は気持ちです」(渋野日向子)
明日の巻き返しに期待しましょう。
写真/中村修