好天微風の好コンディションのなかスコアの伸ばし合いになった最終ラウンド。前半ラームはゾーンに入ったプレーでバーディを量産。一時20アンダーの大台に乗せたが後半まさかの失速。結局銅メダル争いでも松山英樹の後塵を拝しローリー・マキロイとともに5位タイに甘んじた。
五輪連覇がかかったシャウフェレも中盤から崩れ15番でダブルボギーを叩いて万事休す。かろうじてトップ10(9位タイ)は外さなかったが父方の祖母(フランス人)の故郷でのメダル獲りはならなかった。
代わってこの日底力を見せつけたのが4打差の6位タイからスタートしたシェフラー。出だしから3連続バーディで勢いに乗ると後半の勝負どころ、上がり5ホールで4つバーディを奪う圧巻のプレーで逆転勝利を成し遂げた。
「自分はゴルフのレガシーを気にするタイプじゃないけれど、こうして金メダルを獲得してみると胸に迫るものがある。競技が大好きな僕にとってこの舞台で戦えたことは最高の幸せ。ここに立てたことを誇りに思う」
2日目までグリーンのラインの読みが外れ、思うようにスコアを伸ばせなかったが、最終日は「キャディのテディがいい仕事をしてくれた」とラインの読みを相棒に任せ、9バーディを紡ぎ出した。
大会前は家族でルーブル美術館を訪れたり卓球観戦をするなど五輪とパリを満喫した彼は「体操女子が金メダルを獲ったときの表彰式を見てとても感動した。アメリカ人として国を代表して戦う重みを感じて感情的になってしまった。だから今回表彰式で国歌が流れたときにはジーンときた。プライドが満たされた」と感無量。
銀メダルのトミー・フリートウッド、銅メダルの松山と表彰台に並び松山がかざしたセルフィーに笑顔で収まったシェフラー。今季6勝を挙げたどの試合よりもその笑顔は輝いているように見えた。