台風が去り大箱根CCは32.8度、風速2.5m/sと650メートルの標高ではありますが、日差しは強く汗ばむ陽気になりました。前週の軽井沢72は標高950メートルでしたので、選手たちには標高差による各番手の距離感を合わせる作業が求められています。練習場で弾道計測器を使って計測する選手もいれば、練習ラウンドで番手選びを考えながらの合わせる選手もいます。
初日は悪天候による2時間の中断からコースコンディションに対応する能力を求めら、2日目は12フィートを超えるスピードに仕上がったグリーンのコンディションと深いラフに対応することが求められました。
森田遥は「ストライクゾーンを広げる」
スピードは速いもののフェアウェイから打った球は止まるグリーン。転がすとスーッと速いグリーンではアプローチとパットの技術がスコアメークのカギになっています。その意味では速いグリーンが得意な森田遥選手が3位に位置していることが納得できます。
森田選手は7バーディノーボギーとスコアを伸ばしましたが、「結果入ってはくれましたが自分の中ではまだズレている部分もあります」とパッティングにまだ改善の余地があるようです。「もう少しストライクゾーンを広げられたら入り口も広がるのにな」と独特の表現を口にしました。
ストライクゾーンを広げるには? と聞くと「とにかく真っ直ぐのラインで芯に当てて順回転で転がす練習をします。それができればあとはラインとタッチを合わせるだけですから」という答えから先ほどの意味が理解できました。カップの幅は108mmでボールの直径は42.67mmなので、およそ2.5個分の幅があることになります。つまり精度の高いストロークをすれば多少芝の影響を受けたとしても、カップインする確率は上がるということでしょう。
ラウンド後の練習グリーンで真っ直ぐのラインをひたすら練習する森田選手の姿を見て、明日のプレーにも期待が持てそうです。
今季3勝目を狙う川﨑春花は「タッチに集中して」
暑さの影響でグリーンスピードの遅かった「大東建託・いい部屋ネットレディス」で優勝した川﨑春花選手は「上手く合わせられないホールもあるので、タッチに集中してパットしてます」と好調なドライバーショットでフェアウェイからグリーンに乗せ、5~6メートルのパットを次々に決めていきました。
間近2戦は予選落ちでしたが「ショットは悪くなかったが、パットが全然入らなかった」といい、やはりパットがカギになっているようです。目の前の一打に集中し、7月に2戦連続優勝を挙げている川﨑選手が3打のリードを持って、今季3勝目を狙います。
渡邉彩香は新スペックのドライバーとパターを投入
もう一人、今週からパターを替えて5アンダー4位タイに位置するのは渡邉彩香選手。先週からドライバーのヘッドをブリヂストン「Bリミテッド B1LS」の9.5度のロフトをネック調整機能で少し立てて、シャフトはグラファイトデザイン「ツアーAD DI」の6Xにしたところ飛距離が戻り、気持ちよく振れるようになったといいます。
復調したドライバーショットのおかげで、フェアウェイキープができなくても短い番手で打てる飛距離が戻って来たことと、今週から投入したオデッセイ「トライビーム ダブルワイド センター」の効果で、5連続バーディを含む8バーディ2ボギーの6アンダーというビッグスコアを生み出したようです。
明日もスコアの伸ばし合いの展開になりそうです。フェアウェイからピンを狙いパットを決めスコアを伸ばす優勝を手にする選手は誰になるでしょうか。明日も現地からのレポートをお届けします。