1年半ぶりに「ミネベアミツミレディス」を、また次戦の「大東建託・いい部屋ネットレディス」では2戦連続優勝を飾った川﨑春花選手が、「CAT Ladies」で今季3勝目を飾りました。1年前は「人前でゴルフするのが怖かった」というくらいの不調から、クラブを2022年の優勝当時のセッティングに戻し、テークバックをアウトに上げて、左に振り抜くというスウィングの改善をして来たとこれまでの2勝の優勝会見で話していました。
これまでの2勝でも実践してきた「自分との勝負」という自分のプレーに集中することに意識して、周りのスコアや優勝争いのプレッシャーからも切り離したプレーで2位以下を寄せ付けない姿が印象的でした。
少し裏話をすると、先の2勝ではウィニングパットを決めてもガッツポーズがなかったので、各メディアのカメラマンも絵作りに困っていました。2勝目を飾った後にそのことを聞くと「恥ずかしくてできませんでした」と話していましたが、今回は短いバーディパットを決めると右手を上げ笑顔でポーズ。多くのギャラリーからの声援に答えました。そのおかげで各メディアはいい写真が撮れたはずです。
2週続けての予選落ちは「ゴルフの調子は悪くなかったのですが、パットが入らなかった」とその理由を話します。今季1勝目の「ミネベアミツミレディス」のグリーンスピードは11.5フィート、1週オープンウィークの後「大東建託・いい部屋ネットレディス」では天候の影響もあり9フィートでした。9フィートのグリーンスピードに慣れたことで翌週から予選落ちした「北海道meijiカップ」(10.5フィート)、「NEC軽井沢72トーナメント」(11フィート)とパットのフィーリングを取り戻すのに2週を要したことになります。
そして今週は11.5から12.25フィートで、グリーンの硬さは雨の影響もあり、フェアウェイからであればしっかりと止まり、転がすと速く素直な転がりのコンディションに仕上がっていました。毎週変わるグリーンのコンディションへの対応の難しさを改めて感じさせられましたし、軒並みスコアを伸ばした上位陣のグリーンへの対応力の高さを感じた試合となりました。
優勝会見では、「相手のことを意識してしまいそうになる自分がいるんですけど、それを自分の中で抑えて常に自分と向き合うことを心がけていたら優勝できたのかなと思います。並ばれたとしても自分は自分のプレーをするだけだと思えば腑に落ちた」と優勝争いの中で自分の心をコントロールする術を身に付けた川﨑選手。メルセデスポイントランクも前週までの11位から8位へと躍進し、次週の「AIG女子オープン」(全英女子オープン)だけでなく、残りシーズンでも活躍する姿を見えてくれるでしょう。
写真/有原裕晶